かわいらしい見た目のカワウソなのだが、実は強いニオイを放っていることをご存じだろうか？
サンシャイン水族館は、5月29日の「世界カワウソの日」を含む5月17日～29日にカワウソの魅力を発信するイベントを開催。
このイベント期間中、サンシャイン水族館で飼育するコツメカワウソのニオイがついた毛布を日替わりで嗅ぐことができる「カワウソのニオイクンクンBOX」を設置する。コツメカワウソはかわいらしい見た目に反し、強いニオイを放つ生き物だというのだ。
この「カワウソのニオイクンクンBOX」について、以下のように紹介している。
オスのカワウソの方がニオイが強いため、個体による違いも感じられるかも？！
毛布は、その日の朝回収したものを展示。ぜひ「朝採れ毛布」をご自身の鼻で体感してみてください。
また、サンシャイン水族館のカワウソ飼育スタッフは「私はカワウソのニオイに嗅ぎなれたので、もはや安心するこのニオイを嗅ぎながら白飯3杯食べられます(笑)」と、カワウソのニオイの魅力を独特な表現で伝えている。
たしかに、カワウソの新たな一面を理解できそうなイベントだが、一体どんなニオイを放ち、なぜオスの方がニオイが強いのか？また、この「カワウソのニオイクンクンBOX」をどのように楽しめばいいのか？
サンシャイン水族館のカワウソ飼育スタッフに聞いた。
ちょっと酸っぱい系でツンとくるニオイ
――カワウソのニオイをかいでもらおうと考えた理由は？
カワウソは、その見た目と動きなどから「カワイイ」ということが広く伝わっています。水槽の前でも「カワイイ」以外は、あまり聞いたことがありません。
飼育している側としては、接している中で感じた、さらなるカワウソの魅力、生物としての情報を伝えたいと思っています。
カワウソを間近で見ていて感じられるものの中で、非常に大きな部分が「ニオイ」です。そのニオイをお客様にも体感していただきたい、そして、体感をすることにより、直接的に訴えることができるのではないかと考えました。
――コツメカワウソはどんなニオイを放つ？
一般的にオスの方がニオイは強いです。ウエス（コツメカワウソの展示水槽内に入れている布類）に付着するニオイは、メスが複数（3頭）いても、オス1頭にかないません。
オスは、ちょっと酸っぱい系で、ツンとくるニオイで、我々（飼育スタッフ）の体や服にもニオイがうつるくらいの感じです。ウエスに鼻を近づけて思いっきり吸い込むことができません。
また、オスは個体ごとにニオイが違います。
――メスよりもオスの方が、ニオイが強い理由は？
まず、子どもより成熟したカワウソの方が、ニオイが強いようです。サンシャイン水族館で飼育しているメスとオスでも、やはりニオイに違いがあり、オスの方が強いです。
理由は、ニオイを自己アピールや威嚇の時にも使用するため、と言われています。
「カワウソのニオイクンクンBOX」の楽しみ方
――朝採れ（その日の朝に回収した）の毛布の展示にこだわる理由は？
夜の間中、カワウソとともにあった毛布を、朝、オープンしていらしたお客様に楽しんでいただくためです。1日経過すると、ニオイが落ちてしまうんです。
――「カワウソのニオイクンクンBOX」をどのように楽しんでほしい？
ニオイを想像してから、ニオイを嗅いでみて想像とどう違うのかを体感し、さらに「なぜニオイがあるのか？どうやって使っているのか？」まで、思いをめぐらせていただきたいです。
――ニオイ以外では、どのようなところに注目してほしい？
・コミュニケーション方法
・エサの食べ方
・食べるもの
・どのような生活をしているのか
・群れで生活する個体間のお互いを常に意識した動き
・エサを咀嚼して食べることと、その方法
・排便の回数と排便排尿の仕方
などに注目してほしいです。
かわいらしいだけでなく、実は強いニオイを放つというコツメカワウソ。まずはどんなニオイなのか想像し、5月に設置される「カワウソのニオイクンクンBOX」で答え合わせするのも面白そうだ。
さらに「なぜニオイがあるのか？」と、コツメカワウソのニオイに思いをめぐらせてみてほしい。
