3月28日にダウンタウンの松本人志さんと「週刊文春」側の裁判が開始されるのを前に、松本さんは27日、代理人弁護士を通じてコメントを発表した。その全文がこちらだ。

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松本人志さんのコメント:
人を笑わせることを志してきました。たくさんの人が自分の事で笑えなくなり、何ひとつ罪の無い後輩達が巻き込まれ、自分の主張はかき消され受け入れられない不条理に、ただただ困惑し、悔しく悲しいです。世間に真実が伝わり、一日も早く、お笑いがしたいです。

「人を笑わせることを志してきました」という、自身の「人志」の名前を意識したような文章から始まるコメントだった。松本さんが自らの言葉で心境を語るのは、1月9日のSNS投稿以来、76日ぶりのことだ。

今回の裁判で、松本さん側が問題視しているのは「性的な行為を強要された」とする女性の証言が報じられた点だ。松本さんはSNSで「事実無根」と反論し、「週刊文春」側に5億5000万円の損害賠償と記事の訂正を求めているが、沈黙を続けてきた。

なぜこのタイミングでコメントを発表?弁護士らが分析

その松本さんが裁判直前のタイミングで突然、コメントを発表した狙いについて「イット!」は、4人の弁護士に取材した。

裁判所に対する松本さん側のアピールではないかと推察するのが、橋下綜合法律事務所の溝上宏司弁護士だ。溝上弁護士は松本さん側の戦略について、「裁判所に対して『こういう目線で見てくださいね』ということをアピールする。自分は被害者であって、弱者の側に立っていたはずだっていうことを訴えかけているような印象を受けました」と分析した。

一方、弁護士法人わかさの若狭勝弁護士は、弁護士事務所からコメントを出したことがポイントだと指摘し、「週刊文春が言っていることとは違うんだということをアピールできる。弁護団の一つの戦術・戦略のもとで、今回こういうコメントが発信された」と見る。

また、裁判前に世論を味方につけたいという思惑があるのではないかと話すのは、弁護士法人ユア・エースの正木絢生弁護士だ。正木弁護士は、「前回までのニュアンスとは違うと思うんですけど、改めてコメントとして出すことによって、世間、世論を味方につけるという意図があるのかな」と分析した。

一方、弁護士法人・響の古藤由佳弁護士は、今回のコメントについて落ち着いた印象を受けたと評価。その上で、「騒ぎ立てるまでもなく、自分が潔白なんだと冷静におっしゃっているように感じました。ここまでたくさんの人が巻き込まれて、悲しみであったり怒りというよりも、疲れだったりとかが交じって、冷静に真実を明らかにしたいという気持ちでは」と話す。

一時期“海外滞在”も判明

そして裁判を前に、松本さんの新たな動静がFNNの取材でわかった。

関係者によると、松本さんは訴訟を起こした後、一時期海外に滞在していたという。現在は裁判に向けて打ち合わせなどを行っているというが、28日の第1回口頭弁論に出廷する予定はないということだ。
(「イット!」3月26日放送より)

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