天皇皇后両陛下の長女・愛子さまは、3月20日、学習院大学を卒業されました。
桜色の振り袖に紺色の袴姿で登校し、卒業式の前に取材に応じられました。
この記事の画像(27枚)ーー大学生活を振り返られていかがですか?
愛子さま:
最初の3年間はオンライン授業で、最後の1年はこのキャンパスに通い、たくさんの新しい学びを得て、充実した4年間を過ごすことができました。素晴らしい先生方や友人たちと出会えたこともうれしく、またありがたく思っております。
このあと、愛子さまは文学部の同級生とともに、約1時間の卒業式に臨まれました。
「締め切りの直前まで」 愛子さまの卒論へのこだわり
新型コロナの感染拡大と同時期に入学された愛子さま。入学から半年後に初めて登校され、最初の3年間はオンラインでの授業が続きました。
キャンパスへの通学は4年生になってから始まり、「大学最後の一年間、この緑豊かなキャンパスで良い学びができましたらと思っております」と話されました。
文学部日本語日本文学科では古典文学や和歌を学び、卒業論文は中世の女流歌人をとりあげ、「式子(しょくし)内親王とその和歌」をテーマにされました。
卒論の指導を担当した中野貴文教授は、記者会見で愛子さまが執筆に取り組まれたご様子についてこう振り返りました。
中野貴文教授:
宮さまがこだわられた点でいうと、とにかく最後の最後まで自分の言葉で少しでもより良くするために時間をかけられたことだと思っています。締め切りの直前まで粘って自分の論文をより良いものにしようという、覚悟というか粘り強さが最も印象に残っています。
愛子さまは文学部の書庫や図書館に頻繁に通い、たくさんの文献や資料を確認されていたといいます。そして、指導教授の研究室で何度も面談を重ねられたそうです。
愛子さまは卒論執筆の苦労について、次のように振り返られました。
《愛子さま 文書回答》
調べる資料や範囲が膨大で、一つのことを調べていると、次から次へと調べなければならない事柄が出てきてなかなか終わらず、特に締切りが近づいた昨年末は、気が遠くなるような毎日を過ごしておりました。
晴れて卒業の日を迎えられた愛子さま。学位記授与式にも臨み「卒業したという実感が湧きました」と話されたということです。
両陛下が見守られた 愛子さまのご成長
平成13(2001)年12月1日に誕生された愛子さまは、結婚8年目の両陛下にとって待望のお子さまでした。
「敬宮(としのみや)愛子」というお名前には「人を敬い、敬われ、人を愛し、愛される人に育ってほしい」というご両親の願いが込められています。子育てには陛下も積極的に関わってこられました。
初めての夏には、ご一家で那須へ。陛下が愛子さまを背負ってハイキングをされました。
御料牧場では好奇心旺盛に手を伸ばし、動物たちに興味津々なご様子でした。
1歳の誕生日を迎えられた愛子さま。はじめは皇后さまに抱かれていましたが、陛下にも抱っこをおねだりされました。
2歳のときには、陛下が撮影されたホームビデオが公開されました。
絵本を読み上げる愛子さまが「パパも」と促されると、陛下も一緒に音読されました。
4歳の夏には、ご一家でオランダへ。海外を訪問されるのはこれが初めてでした。
オランダ王室の同年代の王女たちと遊ばれた愛子さま。「愛ちゃん」と名前を呼ばれると、恥ずかしそうに手を振られました。
学習院幼稚園の運動会では大玉転がしに挑戦され、両陛下は笑顔で見守られました。
学習院初等科にご入学後も、毎年の運動会で大活躍。リレーでチームが1位になると、ガッツポーズで大喜び。
愛子さまは4年生からチェロをはじめ、6年生のときにはオール学習院の演奏会に参加されました。OBとして陛下もビオラを演奏され、親子での初共演が実現しました。
平成26(2014)年、学習院女子中等科にご入学。「今のお気持ちはいかがですか」という質問に、愛子さまは「楽しみにしています」と応えられました。
中等科進学後は伊勢神宮を参拝するなど、ご両親とともに公の場に出かけられようになりました。
3年生の夏には東宮御所で、新聞記者の仕事を体験する沖縄などの小中学生とご懇談。同世代との交流を経験されました。
女子高等科2年生の夏、イギリス・イートンカレッジのサマースクールに参加された愛子さま。約3週間の滞在で寮生活を経験し、英語での授業やイギリスの歴史・文化に触れられました。
成年皇族として活動の幅を広げられる
令和3年、大学2年生のときに20歳を迎え、成年皇族となられた愛子さま。ローブデコルテにティアラ姿で行事に臨まれました。
成年にあたり臨んだ初めての記者会見では、ご自身の性格や長所について話されました。
愛子さま:
私の性格は、友人や周りの方からは、「穏やか」であったり、「無邪気」と言われることが比較的多いような気がいたします。長所は、自分ではなかなか気付きにくいものでございますけれども、事前にこの御質問を頂いたのでじっくりと考えてみまして、強いて申し上げるなら、「どこでも寝られるところ」でしょうか。
学業の傍ら皇室行事に臨むなど、成年皇族として活動の幅を広げてこられました。
かねてより福祉に関心を寄せる愛子さまは日本赤十字社への就職を希望し、4月から嘱託職員として勤務されます。
社会人として新たな門出を迎えられた愛子さま。
「皇族としての務めを果たしながら、社会人としての自覚と責任を持って、少しでも社会のお役に立てるよう、公務と仕事の両立に努めていきたいと思っております」と今後への抱負を述べられました。
(「皇室ご一家」3月24日放送)