7月の那須御用邸に続き、 8月1日から静岡県下田市にある須崎御用邸で静養された天皇ご一家、愛子さまは5日に、両陛下は7日に御所に戻られました。
これまで長年にわたり、那須や須崎での「夏のご静養」で家族の大切な思い出を紡いでこられたご一家。今回は愛子さまが誕生された翌年の夏に、上皇ご夫妻や天皇ご一家の「夏のご静養」を取材した平成14(2002)年9月15日放送「皇室ご一家」(第1190回 この夏の天皇ご一家)を振り返る。
なお、本記事は当時のナレーションをそのまま記載。上皇ご夫妻はそれぞれ「天皇陛下」「皇后さま」、現在の天皇皇后両陛下は「皇太子さま」「雅子さま」と記載する。
天皇・皇后両陛下 那須御用邸へ
天皇・皇后両陛下は8月1日、ご静養の為、栃木県の那須御用邸におでかけになりました。

翌2日、御用邸内で恒例の放鳥をされました。この放鳥は、昭和天皇が鳥類保護の為、昭和42年から始められたものです。

両陛下はキジやヤマドリなどを放たれました。中には巣から落ちて衰弱していた所を助けられた鳥も含まれています。
大根農家をご訪問
この日の午後は、塩原町の大根などの野菜を栽培する農家をお訪ねになりました。
農家の作業所で大根を洗う様子を見学された両陛下。この大根の中には、両陛下が前の畑で収穫された2本も入っています。
陛下は「大根は、意外に簡単に抜けるものですね」と話されたそうです。

このあと、両陛下は大根の漬物やカボチャの煮物をごちそうになりながら、農家の人と歓談されました。
両陛下 アフガニスタン展をご鑑賞
これに先立つ7月29日、両陛下は東京・台東区の東京芸術大学美術館で開催された「アフガニスタン・悠久の歴史展」におでかけになりました。

アフガニスタンは古くからギリシアやペルシア、さらに仏教、イスラムなど様々な文明が交じり合った独自の文化を築いてきました。この展覧会には、先史時代から近代までの文化遺産が展示されています。

両陛下は盛んに質問しながら、一点一点を興味深げにご覧になりました。
両陛下 車いすテニス大会へ
さらに8月11日、東京・江東区の有明テニスの森公園で車いすテニス大会の決勝戦をご観戦になりました。

車いすテニスはこの十数年の間に急速に発展したスポーツで、現在、日本の競技人口はおよそ1000人にものぼるそうです。

試合終了後、選手たちと親しくお話しされた両陛下。テニス談義に花を咲かせていらっしゃいました。
皇太子さま 「水の週間」記念式典へ
皇太子さまは、7月29日、東京・新宿区の新宿パークタワーホールで行われた第26回「水の週間」記念式典に出席されました。
8月1日からの「水の週間」の期間中には、水にちなんだ写真展や浄水場の見学会、さらに隅田川レガッタなど様々なイベントが行われました。

《皇太子さま おことば》
今日、世界各地で水不足や水質汚染などが深刻化しており、21世紀に生きる私たちは、地球規模の観点から世界の水問題にも目を向けていくことが大変重要であると考えます。「水の週間」の諸行事を通して、水の大切さに対する国民の理解が更に深まることを願い、式典に寄せる言葉といたします。

この後、「水をつかう・水をはこぶ・水をつくる」をテーマに開かれた水の展示会をご覧になりました。

世界中で水不足が叫ばれる中、世界水フォーラムが来年の3月、日本で開かれる予定です。
皇太子ご一家 那須御用邸へ
皇太子ご一家は8月8日、ご静養の為、栃木県の那須御用邸におでかけになりました。

歓迎の人たちに手を振られる愛子さま。この仕草は7月半ばにご夫妻が宮崎県を訪問されている間にできる様になったそうです。

黒磯市の標高1230メートルにある沼原(ぬまっぱら)湿原。

那須御用邸でご静養中のご一家は、16日、沼原湿原を散策されました。

宮内庁によると、愛子さまは御用邸内で畳の生活の為、ハイハイやつかまり立ちが上手になったそうです。

一家は、22日まで那須御用邸に滞在されました。
皇太子ご一家 須崎御用邸へ
25日からは、静岡県下田市の須崎御用邸におでかけになりました。

翌26日、皇太子ご一家はすでに静養されている両陛下、そして秋篠宮ご一家と共に、御用邸近くの三井浜を散策されました。

秋篠宮家の長女眞子さまは、現在、学習院初等科の5年生、二女の佳子さまは2年生です。

愛子さまは御用邸滞在中、浮輪を着けて海水浴をされたそうです。

又、生後9カ月前の8月22日頃には、下の歯が生えはじめ、2本目もそろそろだそうです。

(「皇室ご一家」第1190回 平成14年9月15日放送)