仙台市の八木山動物公園で、新しい飼育施設の建設工事が始まった。1965年の開園以来、初めてとなる大規模改修事業。125億円をかけ、「動物本来の生き生きとした姿」を楽しむことができるような園づくりを目指す。

開園58年 総事業費約125億円で改修へ

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仙台駅から地下鉄で12分。駅直結の都市型の動物園「八木山動物公園」。ホッキョクグマやライオン、アフリカゾウなど117種の動物を飼育している。

開園は1965年10月。今も休日には多くの家族連れが訪れる人気の施設だが、58年が経過し老朽化が進んでいる。配水ポンプやボイラーなど動物の生命や事業運営に影響を及ぼしかねない不具合も生じているという。

こうした中、施設の長寿命化と魅力ある園づくりを目的にして、1月から本格的に始まったのが、改修事業。総事業費は約125億円にのぼり、開園以来初の大規模事業となる。

アフリカの自然に近い環境で

仙台市八木山動物公園提供
仙台市八木山動物公園提供

仙台市の計画では、園内を3つのエリアに分け、段階的に整備を進めている。

仙台市八木山動物公園提供
仙台市八木山動物公園提供

まず「エリアⅠ」。園内に分散しているシマウマやゾウなどのアフリカ地域の動物をエリア内に集約し、既存の施設も生かす形で、アフリカの自然の中で野生動物を見ているような展示環境を演出する。また、同じ区画には2階建ての「総合獣舎」や「ライオン舎」も建設される予定。

仙台市八木山動物公園提供
仙台市八木山動物公園提供

「総合獣舎」ではサイやカバをガラス越しに見学したり、チンパンジーを生息域に近い環境で観察したりできるという。

そして「エリアⅡ」。生物多様性をテーマに、レッサーパンダやカンガルー、ペンギンといった、南米・オーストラリア・アジア地域の人気の動物を展示。また、カピパラなど南米の動物を集めた「南米館」を新設し、は虫類館のヘビなども展示する。

最後に「エリアⅢ」。園内に分散するニホンザル、ツキノワグマなど日本の固有種を中心に区画を設けるとともに、学びと体験などの機能を強化するという。

全エリア整備完了は2037年度に

八木山動物公園管理課・大友嘉章課長
八木山動物公園管理課・大友嘉章課長

八木山動物公園管理課の大友嘉章課長は、「令和11年度にはライオン舎も含めて完成するのでそれ以降、魅力あふれる動物本来の生き生きとした姿を楽しんでもらえると思う」と話した。

工事に伴う休園はなく、3つのエリア全ての整備が完了するのは2037年度の予定だ。

(仙台放送)

仙台放送
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