毎日毎日出る洗濯物の山…。忙しい子育て世帯であれば洗濯に割く手間と時間をどうにか減らしたいもの。 家庭によっては1日1回では済まないこともある。なんとかならないだろうか。
家電ライターの田中真紀子さんは、洗濯を負担に感じているなら、乾燥まで一気にできるドラム式洗濯乾燥機がおすすめだという。
「ドラム式なら、干し・取り込みの時間をなくすことができ、天気に左右されなくなります。価格で迷っている人もいると思いますが、干し・取り込みにかかっていた時間から解放されることを考えれば、損はないと思います」(以下、田中真紀子さん)
損はしないということであれば検討してみる価値はありそうだ。しかし、たくさんある製品から、自分にぴったりのドラム式洗濯乾燥機を探すことは難しいはず。
どのような視点で選べばよいのか、田中さんにポイントを聞いた。
ひどい汚れに強い東芝とパナソニック
食べこぼしやおもらし、泥汚れなど、ヘビーな洗濯物に悩まされる子育て世帯としては、ドラム式洗濯乾燥機を選ぶうえで気になるのが洗浄力だろう。ドラム式は縦型に比べ洗浄力が弱いとも言われるが、最近のドラム式洗濯機はヘビーな汚れにも対応できるようになっているという。
田中さんによれば、洗浄力に定評があるのは、東芝の「ウルトラファインバブル洗浄」が搭載された機種だ。
「ウルトラファインバブル洗浄」とは、ナノサイズ(直径0.001mm未満)の泡を発生させ、洗剤の洗浄成分を活性化し洗濯物の繊維の奥まで浸透させる技術。皮脂汚れに対する洗浄効果を高めて衣類の黄ばみを抑えることができるそうで、特許も取得済だ。
「2度洗い」モードが搭載されたパナソニックのドラム式洗濯乾燥機も汚れに強いそう。「2度洗い」モードでは、予洗いでまずサッと汚れを落とし、汚れた水を排水。新たに給水して本洗いを行うことでほかの洗濯物への汚れ移りを抑制する。
また、同社の製品には「温水スゴ落ち泡洗浄」が搭載されている機種もある。この機能は、温水で洗剤の酵素を活性化させ、さらに泡立てることで洗浄力をアップさせるという。
シワの少なさでリードするのは日立
干す・取り込む手間がなくなるドラム式洗濯乾燥機には、一方で素材によっては乾燥後にシワになってしまうという悩みも出てくる。「シワになるものだけ洗い分けて干している」「シワになる衣類は買わない」ことで乗り切っている人もいるだろうが、できればそんな手間も減らせるとありがたい…。
「今、ドラム式洗濯機各メーカーではどこまでシワを伸ばせるかが勝負になっていますが、中でも一歩リードしているのは日立ですね」と田中さん。
日立のドラム式洗濯機には、「(らくはや)風アイロン」という機能がある。これは、高速風と大風量によってシワを減らすというもの。
もっとシワを伸ばしたいときや、折りジワなどを伸ばしたいときには、「スチームアイロンコース」がある機種が便利だという。洗濯乾燥後、追加でワイシャツだけこのコースにかけるなどすると、アイロンがけの負担が軽減できるとのことだ。
ただし、過度の期待は禁物。素材によってはどうしてもシワになりやすいものもあるので、使いながら得意な衣類、不得意な衣類を見分けていきたい。
意外と重要!お手入れと開閉方向もチェック
そして、田中さんは、ドラム式洗濯乾燥機を選ぶ際には、汚れ落ちやシワ伸ばし力を吟味したうえで「メンテナンスのラクさ」にも注目することを勧める。
「今、メンテナンスの簡略化に力を入れているのは日立ですね」
日立のドラム式洗濯機で「らくメンテ」の表記があるシリーズは、毎回使用後に掃除が必要な「乾燥フィルター」をなくし、「大容量糸くずフィルター」に集約。月1回の掃除で済むようにしたという。さらにこのシリーズは、洗濯槽・乾燥経路・ドアパッキンも自動で掃除されるのだ。
「職業柄、各社の洗濯機をレンタルして使ってみるのですが、この機種を返却後に元の洗濯機に戻ったら、乾燥フィルターのお手入れが面倒くさくて…。“乾燥フィルターなし”に慣れてしまうと、『こんなに面倒だったんだ』とストレスだったことに気づきました」
なお、ドラム式洗濯乾燥機を購入する際には、サイズをチェックしたうえで設置可能か、搬入経路に問題がないかを確認することが大切だが、開閉方向もよく考えたほうがいいとのこと。
「洗濯は毎日のことなので、ささいなことでもどれだけ手間やストレスを減らせるかが大切だと思います」
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田中真紀子
家電ライター。早稲田大学卒業後、大手損害保険会社、地域情報誌を経て2003年にフリーライターとして独立。子育てと家事、仕事の両立に悩む中、取材を通して家電の魅力に目覚め、以来家電専門の道に進む。日々多忙なため、常時200を超える最新家電に囲まれながら、手をかけずに家事がこなせる家電探しと使いこなしを探求している。雑誌やWebでの記事執筆・監修は年間300本以上で、テレビ・ラジオ出演も多数。