常に綺麗な部屋で過ごしたいものの、掃除機を出したりしまったりするのは本当に面倒だ。この手間や時間を少しでもラクにできないかと、ロボット掃除機の導入を考えている人も多いだろう。
しかし、「床にモノが多い。散らかっている」「うちの間取りではうまく動かなそう…」などの理由から、これまで導入を諦めていた人もいるかもしれない。
家電ライターの田中真紀子さんは、そんな人こそ今、ロボット掃除機の導入を検討してみてほしいと話す。
「最近の機種は改良が進み、格段に使い勝手が良くなっているんです」(以下、田中さん)
この記事の画像(5枚)田中さんによれば、大きく進化を遂げたのは、次の3点だという。
・障害物を自ら避ける
・部屋の間取りを認識
・ゴミ捨て、水拭きモップ洗浄の自動化
進化を遂げたロボット掃除機の学習機能
初期のロボット掃除機は、靴下やコードを巻き込んで止まってしまう、壁にガンガン当たって掃除してほしい場所を掃除してくれない、複数の部屋を一度に掃除できないなど「思ったように動いてくれない」という悩みがあったという。
「今のハイエンドモデルは、学習機能が進化しているので、そのような悩みはほぼ解決されているんですよ」
最新のロボット掃除機は、衣類やコードやペットの排せつ物などの障害物を見分けて自分で避ける。例えば、アイロボットの「ルンバ」シリーズは、世界中の障害物のデータを学習してどんどん賢くなっていくという。
「だから、ある程度散らかっていても大丈夫。とはいえ、物があると掃除しない場所が出てしまうので、私の場合は、ロボット掃除機のスイッチを入れ、“よーいドン”で床のものを片付け始めるというやり方をすることもあります。習慣化すると部屋を綺麗に保ちやすくなるのでおすすめですよ。ロボット掃除機は掃除・片づけの同志のような存在ですね」
「間取りが複雑なわが家では使えないのでは」という心配も不要だ。今のロボット掃除機は、部屋の中を一度走行して家の間取りをインプットする。そして、効率がいい順番で部屋を掃除することができ、順番を指定することもできる。
「『この部屋は今散らかりすぎているから飛ばす』『今日はお客さんが来るからリビングだけ綺麗にしよう』などフレキシブルな使い方ができるので、自分が動くべきところを最小限にし、集中することができるのです」
“名もなき家事”を減らしてストレスフリーに
さらに、田中さんが最近のロボット掃除機のメリットとして推しているのが、「ゴミ捨ての自動化」などの実装で手入れがラクになっている点だ。
田中さんは今は、掃除機と水拭き機能が搭載された2in1タイプの「ルンバ コンボ j9+」(アイロボット)を使っている。
この機種は、「クリーンベース」(自動ゴミ収集機)に戻れば自動的にゴミ捨てと給水を行うので、毎回のロボット掃除機のゴミ捨てと給水が不要。クリーンベースのゴミ捨ては、数カ月から最大1年に1回、給水は最大30日に1回で済むという。「あまりにも手間がかからなさ過ぎて、ついモップを外して洗うのを忘れてしまいます」とのこと。メーカーによっては、モップの洗浄・乾燥までも行う機種も出ているという。
「ビフォー・アフターにやることがほとんどなく、スマホで指示をするだけ。お手入れという“名もなき家事”が減ることでこんなにラクになるんだと驚きました」
後悔しない選び方と使い分け
ここで気になるのが、機種の選び方だ。田中さんによれば、「どの程度まで手間を減らしたいか」を基準に選ぶとい良いという。
「とにかく手間を減らしたいという人はハイエンドモデルを選びましょう。最近は、アイロボットのルンバだけでなく、中国メーカーのエコバックスの『DEEBOT』も人気があります。一方で、掃除が終わったあとのゴミ捨て程度なら苦にならないタイプの人だったら、3万円台のモデルでも十分にいいものが出ています」
使い方としては、ロボット掃除機と邪魔にならないコードレススティック掃除機を使い分けるのがおすすめだという。
「ロボット掃除機は平日の昼間、会社に出かけて家に人がいない時や、朝起きる前までに走らせておく。そしてコードレススティック掃除機はゴミに気づいた時やロボット掃除機が入れない場所に使用すると合理的です」
進化が止まらないロボット掃除機は時短の強い味方になってくれそうだ。いきなり購入するのは怖いという人はレンタルも視野に入れてみるといいだろう。
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田中真紀子
家電ライター。早稲田大学卒業後、大手損害保険会社、地域情報誌を経て2003年にフリーライターとして独立。子育てと家事、仕事の両立に悩む中、取材を通して家電の魅力に目覚め、以来家電専門の道に進む。日々多忙なため、常時200を超える最新家電に囲まれながら、手をかけずに家事がこなせる家電探しと使いこなしを探求している。雑誌やWebでの記事執筆・監修は年間300本以上で、テレビ・ラジオ出演も多数。