愛媛県警は、2023年度から新たに「移動交番車」を導入した。県内各地に出向き、県民の安全安心を守る「動く交番」の活動を取材した。

車体のかわいいイラストで親しみを

2023年7月に導入された愛媛県警の「広報推進・移動交番車」は、いかめしい名前の警察車両だが、親しみやすいように青い車体には愛媛県の花「みかんの花」や、愛媛県のキャラクターであるかわいい「みきゃん」のイラストなどが描かれている。

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警察施設のない過疎地を訪れ、住民から困りごと相談を受ける他、イベントに出向いて防犯活動を呼びかけたり、災害発生時には現場で警察活動の拠点になったりと様々な任務にあたる。

愛媛県警本部地域課・山本浩二係長:
どのような取り扱いがあるか分かりませんが、地元の方が少しでも安全安心に生活していただけるように真摯に取り組みたいと思っております

過疎地で初めての交番活動

11月15日に「移動交番車」は、南予の山あいにある大洲市河辺町を訪れた。過疎地での「交番」活動にあたるのは、実はこの日が初めてだという。

地域の住民530人のうち約7割が65歳以上の高齢者で、最も近い市街地の内子町中心部までは車で約1時間もかかる。旧河辺村にあたる50平方kmを超えるこの地域を、普段は大洲警察署河辺駐在所の福井雄一警部補が1人でカバーしている。

到着すると、愛媛県警本部地域課の2人と大洲警察署の地域課長が協力し、車の前にテントや机、椅子などを設置して「移動交番」はスタンバイ完了だ。午前11時半になると、公民館から出てきた地域の人たちを移動交番に誘導し、早速困りごと相談がスタートした。

まずは、車の運転についての相談だ。山鳥坂ダムの工事が続く現場近くの道路で、見通しが悪いためゆっくり走っていたところ、後続の車からクラクションを鳴らされて、せかされたという相談が複数の住民から寄せられた。

愛媛県警本部地域課・山本浩二係長:
クラクションを鳴らされてもね、構うことない。ゆっくりね、慌てて事故してもいかんですからね

山本係長は、「事故を起こさないよう焦らず運転することが第一」とアドバイスした。さらに日頃から高齢者マークを貼るなど、他のドライバーに気を付けてもらうための対策を取るなど、親身に相談に乗る。

警察署に入るより楽に相談できる

次の相談は「携帯電話にかかってきた身に覚えのない電話番号からの着信」だ。

相談者:
携帯電話におかしい着信が入っている。この電話番号を調べてもらわないといけない

愛媛県警本部地域課・山本浩二係長:
「049」とかなんですね

相談者:
変わっとるでしょ

愛媛県警本部地域課・山本浩二係長:
変わってますね。これ県外ですね

相談者:
これが何十件と入る

女性の携帯に度々かかってくる身に覚えのない電話番号からの着信は、特殊詐欺の予兆電話だ。

愛媛県警本部地域課・山本浩二係長:
ここからかかっても、着信拒否といってここからの電話を受けられないようにするサービスもある

山本係長は、「怪しい電話には絶対に出ない」そして「かけなおさない」ようにアドバイスした。

地域の女性:
きょうは(移動交番が)来ているというので、道路の関係のこととか言えば安心すると思ってね

地域の女性:
警察署に入るよりは楽です。警察署に入るのは緊張して入らないといけない。ここは楽しそうに話してもらえるから良かったです

愛媛県警本部地域課・山本浩二係長:
思ったよりもたくさんのお話をしてもらって非常に良かったと思います。今後もこのような遠隔地に赴いて、いろんな住民の方の声を聞いていきたい

(テレビ愛媛)

テレビ愛媛
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