オンライン会議などで、自分の声漏れや周囲の音が気になったことは誰にでもあるだろう。

そんな悩みを解消できそうな、イヤホン・マイク搭載のアイテムが登場し、4月下旬に発売される。自分の声と周囲の雑音を抑え、オンラインコミュニケーションをサポートするという「Privacy Talk(プライバシートーク)」だ。

(出典:キヤノンマーケティングジャパン)
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キヤノンマーケティングジャパン株式会社が開発したPrivacy Talkは、一見するとマスクのような本体に、イヤホン・ダブルマイク・換気用のファンを搭載。自分の話し声を20デシベル程度低減すると同時に、周囲の雑音もマイクに入りにくくなるという。

(出典:キヤノンマーケティングジャパン)
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内部にこもる湿気は、換気用ファンで放出し、快適な着け心地を実現するそうだ。

ダブルマイクでファンの稼働音と音声を別に取得

またダブルマイクでファンの稼働音と音声を別に取得することで、ノイズとなるファンの稼働音を打ち消し、オンラインの相手にクリアな音声を届けられるという。

(出典:キヤノンマーケティングジャパン)
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使い方はシンプルで、本体ボタンを3秒長押しするとパソコンやスマートフォンとBluetoothで自動接続される。

またUSB Type-Cケーブルを接続することで、給電しながらの使用も可能だという。

(出典:キヤノンマーケティングジャパン)
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本体(電池込み)の重さは106gで、フル充電で約3時間使用できる。キヤノンオンラインショップでの本体の通常価格は2万3650円(税込)となっている。

同社はPrivacy Talkの利用シーンとして、外出先、カフェ、シェアオフィス、職場、在宅ワークなどを例に上げ、このようなところでも周囲に気兼ねなく発言でき、機密情報への配慮もできることから、オンラインコミュニケーションが快適になるとしている。

(出典:キヤノンマーケティングジャパン)
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このPrivacy Talkは同社の企業内起業であるichikara Lab(イチカララボ)が開発し、実は昨年10月に「Makuake」でクラウドファンディングによる先行発売を行っている。

その結果は、開始15分で目標の100万円を達成し、最終的には490台が売れ、購入総額は1095万円(税込)に達したそうだ。

興味深い製品だが、どのようなきっかけで開発したのだろうか? また、これから暖かくなっていくが、口元が蒸れたりしないのだろうか? キヤノンマーケティングジャパンの担当者に聞いてみた。

きっかけは「オンライン飲み会の会話を家族に聞かれたくない」

――Privacy Talk開発のきっかけは?

コロナ禍を経て急速に変化をとげたコミュニケーションの在り方について若者とディスカッションした当時、「オンライン飲み会に参加している時に会話の内容を家族に聞かれたくない」という意見がありました。

その意見をきっかけにオンラインコミュニケーションについて調査を進めていく中で、プライベートシーンだけでなくビジネスシーンにおいても、さまざまな場所や環境でのコミュニケーションが可能になった一方、声を発する際には周囲への配慮や機密情報の取り扱いへの注意が必要となり、安心してコミュニケーションがとれる環境を確保することへの悩みが発生していることが分かりました。

私たちichikara Labはその悩みに寄り添い、オンラインコミュニケーションをもっと自由に、快適にできる環境の実現を目指して「Privacy Talk」のプロジェクトを始動しました。


――自分の話し声を抑える効果はどのくらい?

装着時は「20デシベル」程度の減音効果があります。1メートル程度離れた場所にいる人には内容が聞きとられにくくなります。


――夏に蒸れたり息苦しかったりすることはない?

換気用ファンを内蔵しており、Privacy Talk内の空気循環を促進することで、装着時の通気性を確保し 快適な着け心地を実現しています。同時に内部に滞留する湿気を外部に放出することで、呼気内の水分による湿気がたまりにくくなるため、ファンOFF時と比較してファンON時の方が話しやすくなります。

「マスク形状の布パーツ」「口元のパーツ」は洗うことが可能

――洗濯はできるの?

ファブリックカバー(マスク形状の布パーツ)は洗濯可能です。本体から取り外して中性洗剤を入れたぬるめのお湯でやさしく押洗いした後、きれいな水ですすいで軽く絞り形を軽く整えて自然乾燥させます。

また本体に取り付けて使用するマウスパッド(口元のパーツ)も、汚れが気になる場合は本体から取り外して水洗いが可能です。また、ファブリックカバーやマウスパッドなど、パーツ単品での販売も予定しています。


――普通のマスクとしては使えない?

Privacy Talkは医療用マスクではない為、ウイルスや細菌感染を防ぐ目的では使用できません。

(出典:キヤノンマーケティングジャパン)
(出典:キヤノンマーケティングジャパン)

オンライン会議では、自分の周りの音が気になるのはもちろん、相手側の雑音や音質が気になって議論が進まないこともあるだろう。

多くの人がPrivacy Talkなどを使うようになると、そんな悩みもなくなるのかもしれない。

プライムオンライン編集部
プライムオンライン編集部

FNNプライムオンラインのオリジナル取材班が、ネットで話題になっている事象や気になる社会問題を独自の視点をまじえて取材しています。