中学校を間借りし穴水高校は卒業式

能登半島地震から、3月1日で2カ月。

災害関連死の疑い15人を含めると、これまでに石川県で241人が死亡し、7人の安否がわかっていない。

穴水町の県立高校の生徒たちは、校舎が被害を受けたため、中学校を間借りして卒業式に臨んだ。

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地震の影響で、正門に続く坂が崩壊し、グラウンドにも地割れなどの被害が確認された、石川県の穴水高校。

卒業式は、同じ町内にある穴水中学校の体育館を間借りして行われた。

門出の日を迎えたのは3年生34人、式では、クラスの代表が卒業証書を受け取り、卒業生を代表して、松村光流さんが答辞で被災地への思いを述べた。

卒業生・松村光流さん:
強く能登の復興のために立ち上がろうと心に刻んだことは、これから社会の荒波の中に出て行くうえでも、とても大切な試練だったと思います。能登は決して負けません。

被災地では、いまだに道路状況が悪く、生徒や保護者が間に合うように、卒業式を、1日の午後から予定している高校もあるという。

深刻な課題は「災害ボランティア不足」

一方、復旧に向け多くの課題がある中、深刻なのが災害ボランティアの不足だ。

石川・珠洲市から、FNN取材団・高知さんさんテレビの川辺世里奈アナウンサーが中継でお伝えする。

川辺世里奈アナウンサー:
石川県の鵜飼地区は、がれきが散乱していて、液状化によりマンホールが飛び出すなど、震災から2カ月たってもほとんど手つかずの状態。今、被災地ではボランティアが足りていない。

1月27日の受け入れ開始から2月29日までに、石川県の被災地で活動したボランティアは5400人余り。2016年の熊本地震では、発生2カ月で9万人近くが参加していて、大幅に少ない数字。

原因は、中心部の金沢市から被害が大きかった地域まで車で片道4時間程度かかるうえに、宿泊施設が少なく、日帰りでの参加を余儀なくされる点にある。

そのため、石川県では2月26日から、ボランティアの宿泊拠点の運用を始めたものの、利用者は100人ほどと限られている。

被災地の復旧、そして、復興につなげるためには、ボランティアの存在が不可欠で、さらなる受け入れ態勢の強化が求められている。

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