3月1日に、2025年春の新卒採用における企業の広報活動が解禁される。企業の人材不足が叫ばれる中、大学や学生はどう動いているのか、山形大学を取材した。

福利厚生・給料を重視する学生が増加

学生生活の前半を新型コロナが直撃した現在の大学3年生。就活を支援している山形大学キャリアサポートセンター・センター長の松坂暢浩教授は、コロナ禍の影響が2024年の就職戦線にも出ていると指摘する。

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山形大学 キャリアサポートセンター長・松坂暢浩教授:
学生はコロナ禍を過ごしてきていて、非常に安定志向の傾向が強い。

松坂教授によると、今の大学生はより安定志向が強く、企業を選ぶ際のポイントに福利厚生や給料を重視する学生が多いという。

一方、企業が求める人物像については、「前向き」「能動的」といった「チャレンジ精神」を重視する傾向が高まっている。「安定」志向の学生と「挑戦」を求める企業との間にはギャップがあるが、人手不足により採用基準を緩くしたという企業も少なくないという。

学生にとって有利な売り手市場となっているが、松坂教授は「前向きさや、自分がどういったことにチャレンジしてきたかをしっかりPRしないと、企業が求める人物像として採用してもらえない」と、決して楽な就職活動ではないと話す。

実質“前倒し” 早まる就職活動

さらに、2025年度の新卒採用からはインターンシップを直接、採用選考に活用できるようになり、実質的な就職活動はすでに始まっている。

早まっている就活を大学3年生はどう捉えているのだろうか。

山形大学3年・瀬野菜月さん:
今は不安が大きくなっていて、今になって心が動いて定まらない状況。将来の自分が働く姿をイメージして期待を持つように心がけている。

山形大学3年・見立康太さん:
人生が決まる大きな分かれ道だと思っているので、しっかりと長い期間をかけて考えたい。落ち込むことが多いが、モチベーションを保っていきたい。

松坂教授は、企業説明会に参加する他、各学校のキャリアサポートセンターを積極的に活用し、視野を広く持って就職活動に臨んでほしいとしている。

(さくらんぼテレビ)

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