3月6日に、約4年ぶりに松山と台湾を結ぶ定期路線が復活する。台湾から多くの観光客が期待される中、愛媛県内でもインバウンド獲得に向けた動きが活発になっている。売り込むのは大都市にはない地方の魅力だ。

松山 - 台湾の定期路線が4年ぶりに再開 

JR四国の観光列車「伊予灘ものがたり」は、愛媛の松山と大洲・八幡浜を特別車両で巡る、ぜいたくな鉄道の旅が味わえると大人気だ。

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この日は、台湾の旅行会社に勤める3人が「伊予灘ものがたり」に乗り込んだ。4月からインバウンド向けに始まる新たなツアーを体験するためだ。

モニターツアーに台湾の旅行会社に勤務する3人が参加
モニターツアーに台湾の旅行会社に勤務する3人が参加

日本航空とJR四国がコラボした今回のモニターツアーは、インバウンド獲得に向けて「冬の大洲」を満喫する内容だ。特に見据えているのは、3月に迫った、松山と台湾を結ぶ定期路線の再開だ。

旅の案内役は、台湾出身で「JALふるさとアンバサダー」のイェリナさんが務め、おもてなしの準備は万端だ。

JALふるさとアンバサダーGLOBAL・イェリナさん:
今は台湾のお客さまが、大都市だけではなくいろんなところを回っていますので、地域の魅力を宣伝していきたいと思います

モニターツアーに参加した金龍永盛旅行社のシャオ・コーシェンさんも、今回のツアーに「非常に期待している」との声を寄せた。

金龍永盛旅行社 シャオ・コーシェンさん:
今のこの列車自体もすごく素敵できれいで、素晴らしい景色も見える。とても楽しんでいます

世界でも高く評価された観光地づくり

非日常な空間で海沿いの美しい景色を楽しみながら、特別な時間を過ごす。

新進旅行社 ヤオ・シンユーさん:
景色がきれい。食べながら海を見たらとても気持ちが良いと思います

人気スポットの下灘駅での途中下車も、貴重な旅の思い出だ。
そして、列車は約2時間で目的地の大洲へ到着。大洲の城下町は、江戸から明治にかけての歴史的な邸宅や町屋など、古い街並みが残る歴史ある場所だ。

古民家を再生する観光地づくりは世界でも高く評価され、2023年、世界の持続可能な観光地の「文化・伝統保全」部門で世界一に輝いた。

大洲のシンボル「大洲城」へ

「サステナブル」な魅力あふれる街並みを散策した後は、大洲城にやってきた。甲冑(かっちゅう)を着た方も出迎えてくれる。まずは、大洲のシンボル「大洲城」の入城シーンを体験だ。

ほら貝の音が響き、太鼓のドンという音に合わせて、独特のステップで甲冑を着た人の後に続く。このあと大洲城の中を見学、この時期ならではの「こたつ」に、参加者は走りながら入るほどの大興奮。

都会にはない、愛媛だからこそ体験できるツアーに、「列車と大洲城をプラスしたら良いツアーになると思う」と参加者も高評価のようだ。

旅行客増えるが課題も…

今、インバウンド旅客・海外旅行者は増えているが、一部では「オーバーツーリズム」の問題などが発生していることから、日本航空の安部さんは次のように話す。

日本航空 松山支店長・安部博史さん:
地方へ誘客する、そのようなサステナブルな人流を作りたい。それが地域課題を解決して、地域活性化のお役に建てればと思っております

日本航空は今回のモニターツアーをもとに、2024年の春に、道後や大洲を巡る2泊3日のツアーの商品化を予定している。

(テレビ愛媛)

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