■京都では警報レベルの状態が続いている

ことしのインフルエンザの流行は「異常事態」となっている。 2023年12月上旬、全国のインフルエンザの感染者の数はピークを迎え、その後徐々に減少したが、1月に入ってから再び感染者が増加したのだ。

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その理由は、「インフルエンザB型」の全国的な大流行。

1回目のピークで流行したA型と合わせて、2回感染する人もいて、京都市では2月4日までの1週間での平均の患者数が、警報の基準値「30」を超え、2月末の現在も警報レベルの状態が続いている。

羽束師クリニックの小川一也医師は「以前は学校から家庭に持ち込むというような状況が多かったんですが、中年の方から6カ月の子供まで、満遍なく(インフルエンザに)なっていく傾向にあったように思います」と話す。

■もともとインフルの流行は春まであるが、今年の流行はコロナの影響も

なぜ今シーズンはインフルエンザが2回流行しているのだろうか。渡航医学を専門とする、関西福祉大学の勝田吉彰教授に聞いた。

今シーズンは2回のピークがあった。2023年12月のピークはA型(H3、H1)が97%近くを占めていて、いま流行しているのはB型が主流で約66%を占めている。なぜ2回ピークが来たのか?

関西福祉大学 勝田吉彰教授:実は、年を越してから、A型流行のピークの末期になって、B型が増えるというのは、コロナ前からありました。結局、B型の流行があるのでだらだらと春先までインフルエンザが続くということは、従来からありました。それともう1つ、4年間のしっかりとしたコロナ対策の中で、B型のウイルスに対して、接触して私たちの体が抗体を作るという機会が少なめだったという理由もあると思います。

B型の流行のピークは越えているのだろうか?

関西福祉大学 勝田吉彰教授:そうですね。大体、感染するのはA型の2つ(H3、H1)とB型ですから、ほぼ終りですね。B型も終われば、収束すると予想しています。ただ、減ったと言っても山で言うたら5合目、あるいはもっと高いかもしれないです。現実にまだまだ感染されている人がいますので、ぜひ警戒は継続していただきたいと思います。

■隠れ生活習慣病の方はインフルエンザに感染しやすい

視聴者からの質問。
‐Q:家族でかかる人が決まっています。かからない人との違いは?
関西福祉大学教授 勝田吉彰さん:免疫機能が低下している人はかかりやすいです。例えば、いま特に注意してほしい人は、隠れ生活習慣病、すなわち検診で『あなたは血糖値が高いです』『血圧が高いです』という人。でも受診していなくて、まだ糖尿病というレッテルは貼られていないという人は、確かに診断を受けていないかもしれないけれども、免疫は実質的に低下しているかもしれないし、ストレスなどいろいろな要素がありますから、ぜひ何か指摘されている人がいたら、受診していただいて、可能性をつぶしてほしいと思います。

‐Q:コロナのときはインフルは流行しなかった。手洗いがおろそかになったのが影響していますか?
関西福祉大学教授 勝田吉彰さん:影響あると思います。例えば、実際に駅のトイレとかで見ていましても、明らかに手を洗わずに出て行ってしまう人がいます。手の中にウイルスがついていれば、その手で顔を触ります。顔を触ったことにより、鼻口のみならず目の粘膜、そういったところから感染が入ります。ですから絶対に手洗いはよろしくお願いいたします。

(関西テレビ「newsランナー」2024年2月29日放送)

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