4年に1度の「うるう日」の2月29日、衝撃的なニュースが世界中を駆け巡った。メジャーリーグドジャースの大谷翔平選手が、自身のSNSを更新し、29歳で結婚を発表したのだ。世界中が祝福の声に包まれたが、一方で、国内の「婚姻数」は、1970年代をピークに全国的に減少傾向にある。去年一年間の数は、90年ぶりに50万組を下回った。こうした中、近年は、自治体が「婚活」支援に乗り出すケースが増えているほか、結婚相談所では、20代の入会者が増えているという。今どきの婚活のキーワードは「効率重視?」だ。
戦後最少 減少続く婚姻数
厚生労働省は、2月27日、2023年の一年間の婚姻数が、“48万9281組”だったと明らかにした。婚姻数が50万組を下回るのは、約90年ぶりで、戦後最少の数字だ。
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婚姻数は1972年の約110万組がピークで、その後減少傾向に。2022年は新型コロナの落ち込みから回復して、3年ぶりに増加したが、再び減少に転じ、約50年間で半分以下となった。出生数も過去最少の75万8631人で、8年連続で減少し、統計開始以来過去最少となった。
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宮城県の婚姻数も1973年がピークで、その後、徐々に減少傾向となり、2020年には初めて1万組を割った。最新の2023年の速報値では、8110組と過去最少を更新した。
30代の男女の4人に1人「結婚の意思ない」
時代の変化を如実に表すといわれる”結婚観”。2022年度に内閣府が行った調査によると、デートの経験がないと回答した独身者は、20代女性で「25%」、20代男性で「40%」だった。また、30代の男女で4人に1人が、「結婚の意思がない」と回答した。
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街の人に話を聞くと、
「出会ったらいいなというぐらいで、今は(恋人)の必要ない」(20代女性)
「プライベートが充実しているので、こだわりない」(20代男性)
「出会いの数はあまりない。仕事に専念したいし」(30代男性)
との意見が聞かれた。
行政も婚活支援に本腰 「AI」で出会いサポート
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多様化する価値観とパートナーとの関係。一方で、宮城県は、未婚化や晩婚化は人口減少を加速させる一つの要因として、対策に乗り出した。それが県が2021年に開設した、「みやぎ結婚支援センターみやマリ!」。AIを活用した、マッチングサービスなどを行っている。
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登録料は2年間で1万1千円。対象は、県内在住か在勤、県内へ移住予定の20歳から49歳の独身者だ。
年齢や学歴のほか、「仲間と一緒に時間を過ごすのが好きな方か」など、112項目の質問を入力し、それをAIが分析することで、より価値観の合う相手が弾き出される。
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2023年の末時点で登録者数は、2000人超え。成婚数は134組と、県も手応えを感じていると言うが、課題もある。登録者のうち、20代が占める割合が1割程度だった。
県子育て社会推進課の三浦周課長は「20代の人にとっては、ライフプランを早めに考える中で、結婚に興味のある人は、積極的に考えるきっかけの一つにしてほしい」と呼びかける。
![県子育て社会推進課・三浦周課長](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/9/6/700mw/img_96dd7b329dfdfd75b588c9d51b9b54f4151438.jpg)
「服」から「プロポーズ」まで コンシェルジュがサポート
こうした中、逆に今、20代で利用者数が増えているのが、専任のコンシェルジュがさまざまな悩み事をアドバイスしてくれる、結婚相談所だ。
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大手結婚相談所の、マリッジで必要な費用は、「入会金」と「活動サポート費」として33万円。加えて、月の会費として「1万5千円」と、宮城県のサービスと比べて値は張る。
![コンシェルジュとの相談の様子](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/7/b/700mw/img_7b00ec582501258836fc943a9ae82bd1224493.jpg)
だが、どういう点に注意して話をするかや、服のアドバイス、交際できたらどのような場所に食事に行けばいいかや、プロポーズのシチュエーションはどうすればいいかの相談など、そこまでしてくれるの?と言われそうなほどの、サポートが受けられる。
![山田浩平さん](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/4/0/700mw/img_408e4d681bb1b60429d7189e82a15cf2136603.jpg)
2023年9月にこの結婚相談所に入会した、山田浩平さん(33)は、「担当の方がいるのが一番安心。アドバイスももらえるし、どういう活動をしていくか迷った時に、教えてもらえる」と、結婚相談所に入会するメリットを話してくれた。
20代の割合2倍に 「効率重視」で
大手結婚相談所によると、”リアルな場”での出会いが減少したコロナ禍以降、会員数が増加。2023年の会員数は、コロナ禍前より2万人多いおよそ8万5千人で、中でも、20代の割合は男女ともに2倍程度になった。
![マリッジ・前田光子マネージャー](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/a/700mw/img_6a6d1b6330951296e74dabc78f2f9b05192190.jpg)
マリッジの前田光子マネージャーは「(結婚相談所は)行きづらい場所、敷居が高いとか、最後の砦という人もいるが、今はそういうイメージはない。自然な出会いが少なくなっていて、結婚するなら結婚相談所が、手っ取り早いのではという、効率重視している人が増えている」と話す。
![取材に応じてくれた夫婦](https://fnn.ismcdn.jp/mwimgs/6/e/700mw/img_6e7a65d32b986619afb296aa9d23c520102198.jpg)
仙台放送の取材に応じてくれた夫婦も、29歳で入会し、出会ってからプロポーズまでおよそ4カ月。男性は、「お互い結婚前提というのがやりやすかった」と、まさに「今どき」の理由で、結婚相談所に入会。2人は「結婚してよかった」と笑顔で話した。
”昭和とは違って”家族に対する考え方は人それぞれだ。結婚をしたい人もそうでない人も、誰もが認められ、生きやすい社会に。婚活の今を取材すると、時代は変わっても誰かを後押ししたいと、奮闘する人たちの存在が見えてきた。
(仙台放送)