中国・広東省広州市の河口付近で22日早朝に発生したとみられる橋の一部が崩落する事故。フェリーが橋脚に衝突したことが原因とみられている。
陝西省・西安市では20日、アイスバーンになった高速道路で多重衝突事故が発生。その一部始終を捉えたドライブレコーダー映像を入手した。
春節期間中に950万人以上が訪れたという“中国のハワイ”海南島では、中国で普及が進むEV(=電気自動車)限定のフェリー乗船規制が原因で大渋滞が発生して利用者が激怒。この規制に対してはSNSでも異論が広がっている。
コンテナ船が橋脚にぶつかり、橋の一部が崩落か
中国・広州市の河口付近で橋の一部が崩落する事故が起きたのは、地元メディアによると日本時間22日午前6時半頃。
この記事の画像(18枚)コンテナ船が橋の橋脚にぶつかったことが原因とみられる事故。その現場には目を疑うような光景が広がっていた。
真ん中部分がぽっかりと抜け落ちた橋。
その橋の中を水道管が通っていたのか、水が噴き出し続けている。
抜け落ちた橋の下にはコンテナ船があり、よく見ると貨物を載せる部分に道路の残骸らしきものが残されている。
この事故で2人が死亡して、3人が行方不明になっているが、これまでに衝突の原因は明らかにされていない。
アイスバーンで6台が次々と追突
春節が明けたばかりの中国では他にも驚きの事故が起きていた。
中国内陸部の陝西省の古都・西安市の高速道路で20日、多重事故が発生。
事故現場にいた車のドライブレコーダーのものとみられる映像には、画面左から現れた黄色い車が制御を失った状態で停車中の車列に追突した瞬間が捉えられていた。
するとその直後、さらに後ろにいた車が次々と追突する様子も。
事故はこれだけでは終わらず、さらに別の2台も追突して、10秒あまりの間に少なくとも6台が絡む事故となった。
その事故現場をよくみると、路面が白く変わりアイスバーンになっているのが分かる。この「ツルツル路面」で多くの車が制御を失ったとみられる。
春節明けの中国では広範囲で厳しい寒波に見舞われ、国営メディアによると、一時中国全土の約200カ所で通行止めとなった。
”中国のハワイ”ではEV限定の乗船制限で大渋滞
中国での交通を巡るトラブルは他にもあった。
この春節期間中に950万人以上が訪れたという、“中国のハワイ”とも呼ばれる人気リゾート地、中国南部の離島・海南島で大渋滞が発生。
車列はどこまでも続き、十数キロにも及んでいたというが、いくら人気といってもこの渋滞は普通ではない。一体何が起きていたのか。
渋滞の列の先にあるのは島のフェリー乗り場。
車で島を訪れた人々がフェリーで帰ろうとしたものの、“ある理由”から乗船できず、待ちぼうけをくらっているのだという。
怒っているのは、EV(=電気自動車)に乗って海南島にやってきた人々だった。
“EV先進国”と呼ばれるほど、急速にEV普及が進む中国だが、海南島を発着するこのフェリーでは、車両火災のリスクを減らすことなどを理由に、EVの乗り入れ台数が、全体の10%に制限されていたのだ。
EVで島にやってきた人からは、
「いつチケットが買えるんだ!上司を呼べと言っただろ!誰か来たのか!そんなにやっかいな問題か?何で俺たちEV車がダメなんだ!!ふざけてるのはお前だ!!!」
「数千台の車が100台分のチケットを奪い合う、ふざけているのか!お前は政府や上司に報告しないんだな!ただそこに立ってるだけかよ!」
と怒号が飛ぶ。
このEV限定の乗船制限に抗議していたとみられる人が当局に連行される場面も見られた。
中国のSNSでも、「ガソリン車は並ばなくていいの?並ぶのはEV車だけ?」「どうして橋を作らないんだ!」などと異論が広がっている。EVの普及に見合う環境の整備は、急務と言えそうだ。
(「イット!」 2月22日放送より)