「核」の脅威が見え隠れするなか、融和の可能性を示した北朝鮮。その戦略について、最新の情報と映像から解説する。
レーダーでは捕捉困難…“高度30m以下”を飛行
1月の終わりから、立て続けに「ファサル-2型戦略巡航ミサイル」「超大型弾頭搭載巡航ミサイル」「プルファサル-3-31型潜水艦発射戦略巡航ミサイル」の3種類の地上攻撃用巡航ミサイルを発射した北朝鮮。2月14日には新型の地対艦巡航ミサイル「パダスリ-6」も発射した。

なかでも、1月30日のファサル-2型戦略巡航ミサイルについては、北朝鮮メディアは、試験発射ではなく「訓練」と報じていて、すでに、部隊配備が始まっていることをうかがわせた。
また韓国メディアは、ファサル-2が、今回、飛距離1500km~2000km、レーダーでは捕捉しきれない、高度30m以下を飛行したとしている。

能勢伸之 フジテレビ上席解説委員:
どういうことかといいますと、地球は丸いので、高度30m以下だと、飛行の大部分は水平線や地平線で隠れます。そのため、地上・海上のレーダーでの捕捉が難しく、忍びよる脅威となります。そして1500~2000kmも飛べるなら、日本のほぼ全域に達することになります。

以前からファサル-2に「火山31」という戦術核弾頭を載せる計画があると示唆していた北朝鮮。1月28日には、潜水艦発射戦略巡航ミサイル「プルファサル-3-31」型を試射し、2時間以上飛行したと報じた。

能勢伸之 フジテレビ上席解説委員:
海中から発射されたこの巡航ミサイルの名称は、「ファサル-3」型の前に朝鮮語で「火」を意味する「プル」を付け、後ろに「-31」と付けた形になります。核弾頭と称する「火山31」を示唆しているようです。
日米の迎撃体制は
海から、地上から迫る北朝鮮の脅威。日本が進める対抗策とは。

能勢伸之 フジテレビ上席解説委員:
アメリカ海軍は、洋上を低く飛ぶ巡航ミサイルを、早期警戒機で空中から見張り、そのデータをイージス艦に送って、迎撃する手段をすでに確立しています。

能勢伸之 フジテレビ上席解説委員:
海上自衛隊も「まや」型護衛艦2隻にアメリカ海軍のイージス艦とデータを共有する端末を搭載。その上で、地上配備型迎撃システム・PAC-3とネットワークを組むことで、巡航ミサイル迎撃を目指しているのです。

こうした動きをけん制していた北朝鮮だが、日本が反撃能力の一環として導入する非核兵器の巡航ミサイル、トマホークの運用訓練を3月に始めると明らかにした翌日、「岸田首相の平壌訪問もあり得る」との金与正氏の談話を発表した。
「緊張」と「抑止」。日本と北朝鮮とのつばぜり合いは続きそうだ。
(「イット!」2月18日放送より)