今、若者たちの間で新たな常識が生まれようとしているといいます。その名も「メール1往復主義」

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「メール1往復主義」とは、仕事などを依頼するメールを相手に送り、「今回はお受けできません」と返信で断られたら、それでやりとりは終了。
「次回、何かありましたらよろしくお願いします」などフォローのメールを返したりはしない主義のことです。

26歳・女性 飲食店勤務:
必要最低限のことしかしたくないので、時間の無駄になっちゃうので、全然“アリ”だと思います。特に必要ないのかなと思うんですけど。

30代・男性 空港関係:
手間が省けるので、向こうが分かっていればそれでいいと思うので。完結しているなら、もうそれだけでいいのかなと思います。

若い世代は、「メール1往復主義」を、“アリ”と考える人が多いようです。
しかし、中高年世代に話を聞いてみると…。

57歳・男性 観光関係会社 管理職:
個人的には“ナシ”だと思います。
最終的には残念だという気持ちを伝える。それがメールであっても、「また是非お願いします」とか「また次の機会に」とか、そういう一言があると人間関係がスムーズになりますよね。

70歳・男性 旅行会社 代表:
最後の義理っていうかね、それはちゃんとこちら側からする。例えば先方がお客様であればね、礼儀だと思うんですよ。

「メール1往復主義」は新常識か?それとも非常識か?変わりゆくコミュニケーションを解説します。

若者は“タイパ”重視?

Z世代の就職・転職支援を手がける、株式会社デザイナー代表取締役社長の泉澤恵一朗氏は、若者の「メール1往復主義」が増加する背景には、“認識の違い”があるのではないかと話します。

泉澤恵一朗氏:
(1往復主義は)意図せず常識化してしまっているという認識で、悪いとすら思っていないのかなと。そもそもメールを送信する機会自体が少ないので、若者にとってメールは“ただ届くだけのもの”というような認識があるのかなと思います。
また、若者は1往復で終わることにダメだという認識がないばかりか、返信しないこと=「了解です」というのが、Z世代の中の認識です。

――若者の中では、一つのつながりのあるやりとりというより、LINEのような短文形式という認識なのでしょうか?
そうですねよね、LINEもそうですし、チャットには「了解です」ボタンや「承知しました」ボタンとかもあるので、別にいらないんだみたいな。マナーみたいなものをインプットできていないというか、そういう認識もあるのかなと感じています。

泉澤恵一朗氏:
それこそ若者はSNSも含めて「チャット文化」みたいなところがメインなので、メール自体に慣れていないということと、あと、若者は「タイパ(タイムパフォーマンス)重視」みたいなところがありますので、定型文を調べている時間がもったいないとか、調べても大量に出てくるので、どれが正解か判断している間に1日~2日たってしまって“時効”になってしまうみたいな…。
「了解です」「承知します」ぐらいのメールでもう3日たっちゃった!他のことしている間に!みたいな。で、ずっと下書きのフォルダに入っているみたいな。

「返信不要」はありがたい?マナー違反?

「メール1往復主義」の若者が増加する中で、若者が「ありがたい」と感じている文面があるといいます。

それは「ご返信は不要です」という一文。泉澤氏も社内で「返信不要」についてアンケートを取ったところ、ありがたいと感じるのが8割、どちらでもいいと答えたのが2割だったといいます。

しかしこの「返信不要」、日本ビジネスメール協会の平野友朗代表理事によると“マナー”の観点から見ると、そもそも「返信不要です」も返信するかどうか決めるは相手であり、聞きたいことがあるときに返信しづらくなるため、あまり送らないほうがいいとも…。

株式会社デザイナー代表取締役社長 泉澤恵一朗氏
株式会社デザイナー代表取締役社長 泉澤恵一朗氏

泉澤恵一朗氏:
もう人による、TPOによると思いますので。うちの会社もお客さんの年代が高い方に関しては、この辺は徹底しているので難しいことではないかと思うのですが、TPOによるのではないかと思います。
(「めざまし8」2月15日放送)