三重県明和町で2月7日朝に起きた死亡事故で、車にはねられたのは町のトップ・世古口哲哉町長だった。

産業用の大麻活用など、町の産業振興に意欲を見せていたが…

6日に撮影された記者発表での写真で、最前列で写真に収まる世古口町長。これが最後の公務となってしまった。

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まだ日の出前の7日朝5時20分頃、明和町行部で事故は起きた。現場は交通量の多い国道脇の側道で、街灯はなく、田んぼが広がっている。

その側道を歩いていて軽乗用車にはねられたのが、明和町の世古口哲哉町長(57)だった。全身を強く打ち、意識不明の状態で救急搬送されたが、約3時間後に死亡が確認された。

町長をはねた軽乗用車はフロントガラスが大破していた。事故の衝撃を物語っている。

運転していた派遣社員の男(44)は、過失運転致傷の現行犯で逮捕された。事故の後、自ら警察に通報している。

世古口町長は、町内で1000年以上前に大麻が栽培されていたという歴史から、違法性のない産業用の大麻活用に意欲を見せていた。

世古口町長(2023年4月):
麻とも関わりが深い明和町で、麻文化の復興をしていきたい。医薬品・食料品・化粧品とか、それから建材にも使えますので、産業化に結び付けていければなと

2018年の町長選挙で初当選し、現在は2期目の途中で、町のトップとして道半ばでの事故だった。明和町民からはその訃報に驚きと悲しみの声が上がっている。

60代の明和町民:
え?交通事故で?全然知らなかった。ショックですね

70代の明和町民:
まだ若いし新しいことにも取り組んでみえて、本当にこれからという段階ですので、残念の一言ですよね

また、少年野球チームの指導を通じて町長と交流があったという男性は、町長と同じ高校のOBでもあり、「尊敬する先輩」だったという…。

町長と交流があった男性:
昼も喉を通らないような感じですごくショックを受けていて。(世古口町長は)真面目でいろんなことにチャレンジしていただいて、明和町をすごくよくしていただいて。これからも頑張っていただきたかったんですけど、お亡くなりになられて非常に残念な思いでいっぱいです

町長不在となった明和町。

8日以降の代理を務める下村由美子副町長は、「町長がやり残したことを1つでも具現化できるよう、職員一同、精一杯頑張っていきたい」とコメントしている。

新しい町長を決める選挙は50日以内に行われる。

(東海テレビ)

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