レスリング男子で全国の強豪を圧倒し2年連続で高校3冠を果たした佐賀県の高校3年生。その実力の源泉となっているのが約150㎏の“丸太上げ”を毎日1時間行い、肉体を鍛え抜く厳しいトレーニングだ。

全国の強豪圧倒2年連続3冠

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2023年、インターハイと国体で全国制覇を果たした佐賀県の鳥栖工業高校レスリング部。その中でひときわ注目されている選手がいる。

甫木元起選手(鳥栖工業高校レスリング部)
甫木元起選手(鳥栖工業高校レスリング部)

それは3年生の甫木元起選手。重量級と呼ばれる92キロ級で全国の強豪を圧倒し、2年連続で高校3冠(選抜・総体・国体)を果たした期待の選手だ。

甫木元起選手:
より強い相手に勝つときとか、自分が考えた技とかがかかった時はすごく楽しい

スピードと多彩なテクニック

体と技をぶつけ合う人類最古の格闘技レスリング。
甫木選手は「軽量級の動きを重量級でもできるように、速い動きとテクニックが必要」と話す。

一瞬にして大きな体が消えるスピードと、多彩な技を繰り出す圧倒的なテクニックで相手を圧倒する甫木選手。「タックルとそこからグラウンドでのローリングで試合を決める」と自身の強みを語った。

監督や他の階級で国体優勝経験のある同じチームの選手は、甫木選手の実力を次のように評価する。

鳥栖工業高校レスリング部・小柴健二監督:
左右(から攻撃)もできてきていますし、意外と受け(守り)も強いので、そういう部分でも海外(選手)との戦いでいきてくると思います

鳥栖工業高校(2年)松原拓郎選手 (65キロ級・国体優勝):
手の長さとか全部いかして自分の特徴にあったレスリングをしているところ(がすごい)

体力自慢記者の挑戦は“玉砕”

高校時代にハンドボールで国体に出場経験がある記者が甫木選手の速い動きとテクニックを確かめようと、ひざに触れることができるかどうかチャレンジしてみた。

ハンドボールで鍛えた脚力を駆使し全力で挑むものの、長い手で完全に守られ、かすりもしない。最後は100キロ近い体を軽々と持ちあげられてしまった。

Q.重くなかった?
甫木元起選手:全然大丈夫です

五輪へ…階級上げ97キロ級に挑む

高校生離れしたパワーとスピードを持つ甫木選手。
オリンピックは92キロ級がないため、2023年12月の全日本選手権では97キロに階級を上げて挑んだが、同世代では最強と言われる大学生の選手に敗れ、惜しくも3位に終わった。

肉体“増量”支えた母のメニュー

実は甫木選手、中学入学時は57キロ級。努力を続けた結果、なんと40キロも増量した。小柴健二監督は、「レスリング以外の食事の面でも、ほんとうにきつい中がんばったと思います」と話す。

苦しい“増量”生活を支えたのは、母・優さんの“特製メニュー”。1日で6合以上、約2キロのコメを食べ、体を作ってきた。

150㎏“丸太上げ”毎日1時間

さらに上を目指す甫木選手。目標は五輪での頂。
理想の肉体を手に入れるため甫木選手は帰宅後も厳しいトレーニングに励む。そのトレーニングは、約150㎏の丸太上げを毎日1時間行うという過酷なものだ。

甫木元起選手:
全身を使う練習。レスリングは組手をするので筋肉が大事

夢への第一歩「国スポ」優勝へ

2024年4月から日本体育大学に進学する甫木選手。
五輪優勝という夢の実現に向かって、まずは地元佐賀で開催される国スポでの優勝を誓う。

甫木元起選手:
これまで以上に活躍できるような、レスリングわからない人が見てもおもしろいと思うような試合ができるようがんばりたい。(パリの)次のロサンゼルスオリンピックで優勝したい

(サガテレビ)

サガテレビ
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