鮮やかな連携、そしてダイナミックなシュートを繰り広げ“空中の格闘技”とも呼ばれるハンドボール。国体2連覇をめざすチームの立役者となっているゴールキーパーは、“位置取り”が勝負のカギを握ると言う。

国体優勝にリーグ上位の快進撃

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佐賀・神埼市に拠点を構える「トヨタ紡織九州レッドトルネードSAGA」。2023年の鹿児島国体で優勝。国内最高峰の「日本ハンドボールリーグ」でも優勝を狙う勢いに乗ったチームだ(2024年1月時点で3位)。

レッドトルネードSAGA・小峰大知選手(29)
レッドトルネードSAGA・小峰大知選手(29)

このチームの立役者として活躍しているのが佐賀県出身の小峰大知選手(29)。大学時代には、全日本学生選手権で優勝。各世代の日本代表にも選ばれたハンドボール注目の選手だ。

小峰大知選手:
佐賀県の代表として必ず日本一を取りたいっていうのは中学、高校からの夢だった

トヨタ紡織九州レッドトルネードSAGAの岩本真典監督と荒川蔵人主将は、小峰選手を次のように評価する。

岩本真典監督
冷静に相手を分析して、自分ができることをしっかりやろうという姿勢がみえる

荒川蔵人主将:
自分の考えに伴う正確な“位置取り”が彼の強みだと思う

勝負のカギ握る“位置取り”

小峰選手が絶対的な自信を持っているのが、チームメイトや監督も認めている“位置取り”。ハンドボールにおける“位置取り”とはいったい何なのか、小峰選手に教えてもらった。

記者(ハンドボール経験者)の位置取り
記者(ハンドボール経験者)の位置取り

取材にあたった記者はハンドボール経験者。その記者がベストと思うゴール前に立ってみた。

シュートを打つ目線で見ると、この位置ではどのコースも狙うことができるのがわかる。

小峰選手の位置取り
小峰選手の位置取り

これに対して、小峰選手が立つ位置は、“わざと空けている”左側以外に打つところがない。

さまざまな角度や高さから放たれるハンドボールのシュートで、相手に「打つところがない」と感じさせてボールを思い通りの位置に投げさせる技術。これが、小峰選手が得意とする“位置取り”だ。

積み重ねたデータを使って対戦相手の癖を読み、時速100キロを超える剛速球のシュートを、体を張ってブロックする技術。小峰選手が練習を積み重ね磨いてきた武器“位置取り”がチームの勝利に貢献している。

3年前(2020年~2021年)のリーグではサッカーで言ういわゆるPKの“阻止率賞”を受賞し、その高い能力が証明されている。

”ピアノ”で英気を養う

重要な試合でのスタメン起用が増え、体力と神経をすり減らす毎日。

小峰選手の息抜きは小学生の頃に始めたピアノ。リラックスしたい時は自然と自宅の屋根裏部屋のピアノに向かい、穏やかな時を過ごす。“空中の格闘技”とも呼ばれるハンドボールで過酷な試合を勝ち抜くための英気を養うひと時だ。

国体から名称を変更し佐賀県で2024年に初めて開かれる「国民スポーツ大会」で2度の日本一を狙うためにも、小峰選手は日本一のゴールキーパーを目指し日々練習を続けている。

小峰大知選手:
2024年は日本リーグで初の日本一。そして国スポで日本一。個人的には一番大事な試合を任される選手になります

(サガテレビ)

サガテレビ
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