今年こそは理想の体に…!そう意気込んで、ダイエットや筋トレを始めたものの、思うように結果が出ずに挫折してしまった経験を持つ人は多いだろう。

YouTubeで人気のパーソナルトレーナー・つむらみおさんは、自身も数々のダイエットを実践しては失敗し続けた一人だ。その経験から、痩せたければ体重を減らすよりも筋肉をつけたほうがいいという結論に至った。

パーソナルトレーナーのつむらみおさん
パーソナルトレーナーのつむらみおさん
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「筋肉は脂肪よりも重いので、むしろ体重は増えてもOK!自然と体は引き締まります。ところが、減量にこだわるあまり、間違ったアプローチで失敗を繰り返してしまう人が多いんです」(以下、つむらさん)

実は、つむらさんの体重は身長別の基準(BMI・体格指数)では“肥満”に近いのだとか。そんなつむらさんに、NGアプローチと正しいステップについて聞いた。

“食べない”ダイエットはむしろ逆効果!

まずは、痩せるための“NG”アプローチを押さえよう。その内容は3つ。

1つ目は、“食べない”ことだ。

「過剰な糖質制限や食事制限で体重を減らそうとする人がとにかく多いですが、一番やってはいけません!一定時間食事をしないという方法もおすすめできません」

その理由は、必要な栄養を取り入れないと筋肉が痩せ、基礎代謝量(「基礎代謝量だけで体形をキープできるのは20代まで!30代から筋トレをしないとまずい 理由を人気パーソナルトレーナーに聞いた」で詳しく解説)が下がってしまうからだという。筋肉が必要とする栄養は4時間くらいで枯渇してしまうので、4〜5時間おきに栄養を補給することがベストだそう。

「大切なのは、体重よりも体脂肪率を減らすこと。その代わりに筋肉が増え、その分基礎代謝量が上がるから、たくさん食べても太りにくい体になるのです。食事制限をするよりも、そのほうが楽しくないですか?」

つむらさんが“食べないこと”を勧めない理由はもう一つある。それは、糖質制限や食事制限により一時的に痩せても、必ず“リバウンド”が起こり、スタート時点よりも体重が増えてしまうからだという。

過剰な食事制限はむしろ太る原因に?(画像はイメージ)
過剰な食事制限はむしろ太る原因に?(画像はイメージ)

「20代の頃に食べないダイエットで減量に成功しても、30~40代で同じようにやってしまうと、基礎代謝量が落ちて余計に太りやすくなってしまいます。食事制限で摂取カロリーを減らすよりも、基礎代謝量を上げてカロリーの消費量を上げることを優先しましょう」

たくさん歩いても効果は薄い?

NGアプローチ2つ目は、運動の種類の選択を間違ってしまうこと。

運動には、「有酸素運動」と「無酸素運動」の二種類がある。「有酸素(性)運動」とは運動強度の小さい(比較的負荷の軽い)運動のことで、「無酸素(性)運動」は運動強度の大きい運動のことだ。

つむらさんは、有酸素運動ばかりやっていてもシェイプアップ効果は上がりにくいと言う。

「『1時間、2時間歩いても全然痩せないんです』という30~40代は多いですが、ウォーキングは有酸素運動なので、筋肉が育たず、基礎代謝量が増えません。動きを止めた瞬間にエネルギー消費が終わってしまうため、シェイプアップに繋がりにくいのです」

有酸素運動ばかりやっても筋肉は育たない(画像はイメージ)
有酸素運動ばかりやっても筋肉は育たない(画像はイメージ)

また、有酸素運動は、時間をかけたわりに多くのカロリーを消費することが難しい。

つむらさんの調べによれば、1時間のウォーキングで消費したカロリーは約230キロカロリー。ご飯一膳、あるいは焼き菓子1個程度だったという。「今日はたくさん歩いたから!」といっていつもより多く食べてしまうと、想定外にカロリーオーバーになってしまうというトラップも…。

NGアプローチ3つ目は、間違ったフォームで筋トレを続けてしまうことだ。運動経験が少ない人が、自己流で筋トレをした結果、効果を思うように上げられなかったり、体を傷めたりしてしまうことが多いという。

つむらさんは、これまで指導を受けたことがない人は、ジムなどに行ってプロから体やマシンの使い方を教えてもらうことを勧めている。なお、フォームを修正したうえで効果が出ない場合は頻度を見直してみよう。

筋トレの優先順位は脚→腹→背

以上の3点のNGアプローチを踏まえたうえで、挫折せずに筋トレを続けていくためには、まずは日常生活の中で体を動かす習慣をつけるといいという。

「たとえば、階段とエスカレーターがあったら、階段一択!エスカレーターはないものとします(笑)。また、電車の中では座らない、歩ける距離なら車は使わないなど、日常生活でルールを決めてしまうと、楽しく体を動かす習慣が付けられますよ」

下半身を鍛えるスクワットは重要な筋トレ(画像はイメージ)
下半身を鍛えるスクワットは重要な筋トレ(画像はイメージ)

そのうえで、つむらさんは体の大きな筋肉から鍛えていくことを勧める。つむらさんが大切にしている順番は、1番目に「脚」、2番目に「腹筋」、3番目に「背筋」だという。

「この3つの筋肉さえ鍛えておけば正しい姿勢が保てるようになり、習慣化すると常に筋肉が使われることによって自然と日常生活の代謝が上がり、痩せやすい状態が保てます」


筋肉が増えれば体重が増えてもシェイプアップできるというのは目からウロコだ。食事制限での減量に失敗したことがある人は、筋トレでシェイプアップを目指してみてはいかがだろうか。

■つむらみおさんのYouTubeチャンネルはこちら
https://www.youtube.com/@miogym5552

『みおの女子トレ部のやせる!食べトレ (美人力PLUS)』(Gakken)
『みおの女子トレ部のやせる!食べトレ (美人力PLUS)』(Gakken)

つむらみお
パーソナルトレーナー。個人の癖や骨盤に合わせた完全カスタマイズメニューで、“理想の体”をリバウンドなしで手に入れる食事やトレーニングを発信。産後1年でボディメイクコンテスト優勝。YouTubeチャンネル登録数は累計72万人。雑誌「Forbes」「Tarzan」「anan」、テレビ番組への出演も多数。オンラインにてレッスン開催中。

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