「古市憲寿のエンタメ社会学」今回のゲストは俳優・桐谷健太さん。

古市憲寿(以下、古市):
僕一回会ってて。8年ぐらい前に、パリで夜ご飯一緒に食べてるんですよ。
桐谷健太(以下、桐谷):
マジですか。
古市:
写真見せていいですか?
桐谷:
あ、俺ですね!
古市:
なんならあの日、僕が払ったんですよ。
桐谷:
ごちそうさまでした。マジですか。

古市憲寿、桐谷健太
古市憲寿、桐谷健太
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まったく覚えていなかった桐谷健太さん。
明るく、豪快なイメージの桐谷さんですが…人物像に迫ると、まっすぐ過ぎる生き方こそが、今の成功につながっていました。

とにかく目立ちたかった高校時代

古市:
昔から目立ちたがり屋って話を聞いたんですけど。高校の頃にブロマイド配っていたとか。
桐谷:
自分の写真を鏡で撮って、学校中の女の子たちに勝手に渡していくみたいな。

古市:
あと何やってたんですか?
桐谷:
自分が表紙の雑誌を作ったりとか。
古市:
あと、シースルーの制服で?学校通ってたとか?
桐谷:
よく知ってますね。とにかく目立ってなんぼって思ったので、素肌の上にシースルー。目立ってこの世界につなげたいみたいな思いが、きっとあったと思います。今みたいにSNSとかTikTokとかがないじゃないですか。とにかく何か発信して目立っていくしか方法がなかったんですよね。
古市:
周りの反応どうでした?
桐谷:
引いてたと思います。

古市:
オーディションに応募したりとかは?
桐谷:
高校の時からはしてました。でも、ことごとく落ちました。で、ある時に「美容室のヘアショーに出ない?」って声かけてもらって。その時一緒だったモデルの人に「俺、絶対ビッグになります!」って言ったら、「じゃあまず東京行かな」って言われたんですよ。「東京!?そうなん!?」と思って。オカン的には「大学4年行って考えて」みたいな。「あっじゃあ東京の大学受かればええんや」って思って。ガーッて猛勉強して、運良く受かりまして。
入学式の時に、サークルの勧誘があるじゃないですか。それのほぼ全部に顔を出して、「俺ビッグになりますから!覚えといてください!」みたいなことをひたすら言うてたんですよ。
古市:
握手して?
桐谷:
全員に。先輩とかに。

とにかく細かいことは気にせず、誰彼構わずアピールを続けていた桐谷さん。その甲斐あってか、幸運な出会いがあったそう。

桐谷:
知り合った方が「モデル事務所の社長を知ってる」「紹介してあげる」と。「してぇ~!」みたいな。で、そこでまた出会いがあって…この出会いがあったからこの出会いがあってみたいな感じでつながって、今に至るっていう感じです。
古市:
アピールが功を奏したんですね。
桐谷:
そうですね。
古市:
結果的によかったんですね。このなんか、ちょっとイタい感じが。
桐谷:
そう…今考えたら、結構イッてることしてるなって思うんですよ。今になったら「だいぶ特殊な奴やな」って…。
古市:
客観的に今になってね。

“好きなこと”がau浦島太郎「海の声」きっかけに

人目も気にせず突き進んだことで、開けた俳優への道。さらに、運命の出会いが!

古市:
お茶の間的にはauの浦島太郎で知った人もすごく多いと思うんですけど。
桐谷:
そうですね。
古市:
どんな心境でした?
桐谷:
どんどん勝手に、波のようにブワーッって広がってる感じがしましたね。まさか、歌を歌ってここまで知ってもらえるというのも、考えてなかったですし。

CMから火がつき、2016年に国民的ヒット曲となった「海の声」。
そのキッカケは、桐谷さんが純粋に好きなことを続けた事だったそう。

桐谷:
中学生の時に初めて沖縄行った時に、三線に「懐かしい」って鳥肌立ったんですよ。
ある時、大阪で仕事をしてた時に、監督にずっと怒られていてすごい落ち込んで帰って実家の近くで歩いてたら、道の向こうから三線の音色が聞こえて。え?って思って見たら、三線店ができてたんですよ。
古市:
三線店って成り立つんですか?
桐谷:
三線店ってあんま見たことないでしょ。そこで買って、バラエティーで弾く機会があって、偶然、そのauのCMのプランナーさんが見てて「浦ちゃん…歌…三線…浜辺!来た!」みたいな感じで思ったみたいで。なんか「これやっておいたら自分の武器になるな」とか、そういうことじゃなくて、ただ「やりたい」とか「好きやな」っていうことをやってたら、全部がつながった感じですね。
古市:
あー僕、そっちばかり考えちゃいます。「これやっておくと来年万博だからちょうどいいかな」とか。そういう利害ばっかり。
桐谷:
いろいろ、しんどいことはもちろんありましたけど。いろんなつながりがあって、子どもの頃に描いてた夢が叶い続けてるっていう感じがします。

金曜夜9時放送中の「院内警察」で、主演を務めている桐谷さん。

桐谷:
刑事ドラマと医療ドラマってほんと二大巨頭で、その2つがやっぱ合わさっているので、面白くないはずがない!!
古市:
なんか3年前ぐらいから考えてたって言ってましたよね。その2つが融合したドラマがあったらいいな、って。
桐谷:
それをね、言うとね、みんな笑うんですよ。
古市:
いや、僕も笑います。嘘かな?って…。
桐谷:
いや本当なんです。全然信じてない。
古市:
いやいや…。

(めざまし8「エンタメ社会学」1月25日放送より)