身近に潜むカギのトラブル。昼夜問わず駆けつけるカギ開け職人に寄せられるSOS。現場に急行する職人に密着した。

カギのトラブルに職人が駆けつける!

この日、最初の依頼は福岡市から。依頼は勝手口にかかったままの南京(なんきん)錠の解錠だ。5年以上使用せずに放置していたため、閉じたままさびつき、壊れてしまっていた。

依頼者:
カギを放置していて、番号もわからなくなって、さびついて開かなくなったんですよ

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依頼者宅の勝手口はカギ自体がかかっていない状態のため、人が自由に入ることが可能になっていたが、施錠できるように新しいカギをつけたくても、古いカギが邪魔でつけられなくなっていたのだ。

そこで登場したのは、鍵開け業者の「Beyond」の志摩社長。

Beyond・志摩幸政社長:
南京錠を直接、壊して、切って外していく作業になります

カギは解錠できない状態になっていたため、電動工具などを使い切断。最後に新しいカギと交換し取り付けて作業完了だ。

依頼者:
勝手口の中には掃除道具とか脚立しか入ってないんですけど、普通に戸が開いて、この状態で朝になっていることが多かったので、誰か入っているんだろうなと思っていて…。助かります

続いてのSOSは朝倉市から。現場を訪れると、玄関ドアにカギが刺さったままになっていた。

カギが刺さったまま外れなくなったという
カギが刺さったまま外れなくなったという

依頼者:
カギを掛けるときに抜けなくなった。子どもがしたのでわからないんですけど、ガチャンと回して外れなくなった

子どもが外出しようとカギをかけたところ、抜けなくなってしまったという。以前から、この扉のカギは開け閉めがしづらかったそうだ。

作業開始から約3分後…。カチャンと解錠の音が響く。

Beyond・志摩幸政社長:
扉がずれて、かみ合わせが悪くなっている感じですね。(家は)築20年くらい経っているので、どうしてもゆがみとかがあると思うので

ドアのゆがみに引っかかり、開かなくなっていた

前と後ろの扉でひとつのカギのタイプは、直線で鍵穴(かぎあな)がつながっている。しかし今回は、前後がずれて鍵穴がゆがんだところにカギをさしたため、抜けなくなってしまったという。

カギのメンテナンスをして作業完了。依頼者に最終確認をしてもらうと「開けやすくなっています」とのこと。満足しているようすだった。

動かない電子錠…原因は換気扇?

カギのSOSは昼夜関係なく依頼が舞い込んでくる。夜のマンションの扉の前に1人の女性が待っていた。

依頼者:
ゴミ捨てに行っている間に開かなくなっちゃって…、普通だったら「ウィーン」で「ガチャ」って開いて、赤いランプが付くんですけど、これがもう全然(ダメ)

開かなくなっていたのは、最近増えつつある電子錠。依頼者が、ふだん通りに使っていたにもかかわらず、ゴミ出しから戻るとカードキーをかざしてもカギが開かなくなっていたという。担当したカギ職人も初めて見るタイプだということで、まずはのぞき窓からカメラを入れ、中のカギの形状を確認することに。

カメラで確認しながら特殊な道具を使い作業を開始。すると今回のトラブルには意外な原因があることがわかった。

業者「換気扇って、常時、付けている感じですか?」
依頼者「換気扇!?ご飯を作ったりする時だけ…」

開かない原因は“換気扇”
開かない原因は“換気扇”

なんと原因は換気扇。換気扇を付けると室内の気圧が下がり外の空気が室内に入ろうとする。そのためドアに圧力がかかり、電子錠が正常に作動しなかったというのだ。

依頼者「(ドアの取っ手に手をかけ)ホントだ!圧迫感がある」
業者「換気扇を止めてもらってもいいですか?」

換気扇を止めた状態でカードキーをかざしてみると…。

依頼者「開きました」

外に締め出されて約1時間半。カギが開き、ようやく部屋に入ることができた。

依頼時の“トラブル”に注意

昼夜問わず、予期せぬタイミングで突然起こるカギのトラブル。これからの時期は特に注意が必要だいう。

Beyond・志摩幸政社長:
新生活で慣れない新しいカギを持ったりして、忘れることがあったりするので、そこだけ気を付けていただければと思います

カギ業者は、いざというときに頼りになる存在なのだが、一方で、トラブルになるケースもある。

帰宅した際にアパートのカギをなくしたのに気づいた女性が、ネット検索で「出張作業9,000円~」という広告を載せている事業者に電話。「実際にカギを見ないとわからない。一般的なカギなら9,000円から」という説明を受けて作業を依頼。ところが作業員が提示した金額は広告よりもかなり高い60,000円だった。説明を求めた女性に作業員は「特殊な作業なので」と言うだけで、納得のいく説明はなかったという。

もし、高額な料金を支払ってしまった場合は、クーリングオフ等が適用できる場合もある。トラブルに遭わないため、少しでも不安を感じたら断る勇気も必要だ。

※消費者ホットライン「188(いやや)」番で最寄りの相談窓口につなげてくれる。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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