勉強に、運動に、小学生顔負けのワンちゃんが高知市にいる。計算問題を出せば正確な回答を示し、近所の公園では、サッカー選手顔負けのドリブルで子どもたちと全力で走り回る。そんなワンちゃんのすごさを取材した。

疑ってしまうほどの“天才犬”現る

高知市仁井田で暮らしている渡辺幸男さん(73)。その愛犬がフレンチブルドッグの「ユズ」だ。

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鼻ぺちゃの顔がキュートな7歳のオスでジャンプも得意。そんなユズにはある特技がある。

足し算問題を鳴いて答える「ユズ」
足し算問題を鳴いて答える「ユズ」

渡辺さんがユズに「5+2」の足し算問題を出すと、ユズは「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン」と7回鳴いて答えたのだ。

掛け算問題を鳴いて答える「ユズ」
掛け算問題を鳴いて答える「ユズ」

続けて「3×2」の掛け算問題に対しても「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン、ワン」6回鳴いた。足し算に引き算、掛け算まで、「ユズは算数ができる」と渡辺さんは言う。

ユズの飼い主・渡辺さん:
ある日突然、3×3がっていうたら9回鳴くき、びっくりして。なんで知っちゅうがやろうと思うて何も教えてない

とはいえ、本当に算数を理解しているのか。「この質問だったら何回鳴くとかいう感じで覚えている?」と渡辺さんに聞いてみたところ、そうではなくちゃんと考えているんだそう。

確認のためもう一度ユズに、「8-1」の引き算問題を出してみたが、ちゃんと7回鳴いて今回も大正解。

そんなユズ君の好物が算数の時にもらえるパン。そのパンを小さくちぎったものを地面に6個置いて、渡辺さんが「パンは何個ありますか」とユズに聞くと…。

地面に置いてあるパンを数える「ユズ」
地面に置いてあるパンを数える「ユズ」

ユズは「ワン、ワン、ワン、ワン、ワン…ワン」と6回鳴いた。なんとパンの数も数えられるそうで、渡辺さんはユズがちゃんと数えている証拠に「目で追いかけているでしょう」と話す。

渡辺さんによるとユズは自分の年齢もわかるらしく、7歳なのでワンと7回鳴いて答えてくれるそう。

サッカー選手顔負け?の特技も

こんなお利口さんのユズは、毎日午前と午後の2回、渡辺さんと散歩するのが日課だ。

いつものコースにある近所の公園に渡辺さんとユズが到着すると、近所に住む小学1・2年生の子どもたちが「ユズだー!ユズ~」と声を上げた。放課後になると週に何日かは、近所の公園でユズと遊んでいるサッカー仲間だ。

ユズは子犬の頃からボール遊びが大好きで2歳の頃、中学生とサッカーをしたのをきっかけに、ドリブルに夢中になった。

サッカー選手顔負けのドリブルで子どもたちの足の間をすり抜けながらボールをキープしていた。

渡辺さんによると、いつもこんな感じだそう。子どもたちもユズに負けじとボールを奪いあいながら、みんなで広い公園を全力で走り回る。

子どもたちにユズ君はどんな犬か聞いてみると、「サッカーがうまくて、ボール取りにいくときはユズが速くて全然取れんかった」「ボールをかんでる時はかまれそうで怖いけど、一緒に遊んでると楽しい犬」などと答えた。

ユズの飼い主・渡辺さん:
ユズ君が子どもが大好き、飼い主に似るっていうけど、僕も子ども大好きやき、似てきたがやろうかね。子どもの目がイキイキしてますね。犬と一緒にかけっこしゆう、子どもにはこうゆう風になってほしい

「ずっと健康でいてもらいたい」

昔遊びなどを通して普段から地域の子どもと触れ合っている渡辺さん。

子どもたちには、もっと外でイキイキと過ごしてほしいと、草が生い茂っていたこの公園を、3年ほど前に住民有志できれいにした。

子どもの母たちからは、「草刈りをきっかけに子どもたちも公園で遊べるようになったし、ユズを通じてみんなが交流できる場ができたので。すごく良かったと思います」「算数の問題とかもできるから、うちの子とかも『負けんとやりたい』って言って」などの声が聞かれた。

大好きな子どもたちとの時間を楽しんでいるユズ。その光景を見守る渡辺さんの願いは「ずっと健康でいてもらいたい、まさにわが子」と話す。

ユズはこれからも子どもたちに元気を与えてくれそうだ。

(高知さんさんテレビ)

高知さんさんテレビ
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