「話を聞くだけで100万円」のはずが…

20代女性からの相談:
「新型コロナウイルスの影響で仕事が休みになり、収入が減ったため、インターネットで副業を検索し、在宅ワークができるサイトに登録した。
メッセージのやりとりをして相談にのる内容だったが、「報酬を受け取るためには保証会社に入会する必要がある」と1万5000円を請求された。
プリペイド型電子マネーのギフトカードを購入し、番号をサイト運営事業者に伝えたが、追加で5000円を請求された」
(2020年4月)

コロナで仕事が休みになったり、リモートワークで家にいる時間が増える中、「副業」「在宅ワーク」サイトに関する相談が寄せられている。

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20代女性から」の相談:
「インターネットで副業を探していると、お金が儲かるというサイトがあったので無料会員登録した。
40代男性から『話を聞いてくれたら100万円あげる』とメールがきた。
するとサイト運営者から、有料会員になる必要があると1万円を請求された。プリペイド型の電子マネーのギフトカードを購入し番号を伝えたが、男性からの連絡が途絶えた」
(2020年2月)

年間約3000件の相談…「利益誘引型のサイト」の実態

「相談にのるだけで報酬がもらえる」「当選金を受け取ることができる」などとうたってサイトなどに誘導し、登録後にサービスの利用料金や手続き費用として高額なお金を請求するサイトを国民生活センターでは「利益誘引型サイト」と呼んでいる。
全国の消費生活センターには、「利益誘引型サイト」に関する相談が年間約3000件寄せられている。
2020年度は6月末時点で646件。そのうち49件は新型コロナウイルスに関連する相談だという。

‟利益誘導サイト”に関する相談件数の推移(PIO-NETより)<国民生活センター>
‟利益誘導サイト”に関する相談件数の推移(PIO-NETより)<国民生活センター>

20代女性が「副業」「在宅ワーク」サイトでトラブルに…

女性からの相談件数は男性の約22倍。特に20代女性のトラブルが圧倒的に多い

国民生活センター相談情報部 濱名彩香さん:
20代女性は、「副業」や「在宅ワーク」というキーワードでインターネット検索するケースが多い。登録時は無料で登録できても、実際にはその後に被害が発生している。それが本当に副業サイトなのか慎重にみて頂きたい

契約当事者の年代別・性別ごとの相談件数 (PIO-NETより)※n=13,405 性別の不明・無回答等は除く<国民生活センター>
契約当事者の年代別・性別ごとの相談件数 (PIO-NETより)※n=13,405 性別の不明・無回答等は除く<国民生活センター>

知らず知らずのうちにサイトに誘導

「利益誘引型サイト」を介したメッセージのやりとりの流れはこうだ。

①サイトに登録するとサイト内の受信ボックスにメッセージが届き、メール本文を読むためのリンク先が案内される

②消費者がメッセージを読みたいと思い、リンクをクリックすると、サイトの受信ボックスにつながるが、メッセージを読むためには有料ポイントが必要でポイント購入を求められる

⓷ポイント購入の支払い方法は現金振り込みやプリペイド型電子マネー、クレジットカード決済など様々

コロナでトラブル増加の可能性…「簡単に稼げる」は信用しない!

国民生活センターは、特に新型コロナウイルスの影響で仕事が休みになったり、在宅ワークをしようと思ってトラブルに巻き込まれるケースが今後増える可能性もあるとして、以下のような注意を呼びかけている。

①「相談にのるだけで報酬がもらえる」「自宅で簡単に稼げる」などとうたうサイトに注意する

②メールやメッセージで「○○円が当選した」など簡単にお金をもらえる話をされても返信しない

⓷やりとりしている相手を安易に信用せず、冷静に判断する

④トラブルに遭ったと感じた場合は、最寄りの消費生活センターなどに相談しましょう

新型コロナで「働き方」自体を考え直す人が多い中、副業熱は高まっているという。
しかし、インターネットで検索したサイトが本当に「副業」や「在宅ワーク」につながるのか、慎重かつ冷静に考える姿勢が必要だ。

(経済部 一之瀬 登)

一之瀬登
一之瀬登

FNNソウル支局長。韓国駐在3年目。「めざましテレビ」「とくダネ!」など情報番組を制作。その後、報道局で東京都庁、東京オリンピック・パラリンピック担当キャップ。2021年10月ソウル支局に赴任。辛いものは好きですが食べると「滝汗」です。