能登半島地震の発生から7日目。これまでに128人の死亡が確認され、195人の安否がわかっていない。厳しい寒さの中、7日も懸命な捜索が続いている。

「今までいた人が次の日にはいないと思うと苦しい」

雨や雪が降る中、懸命の捜索が続けられている、石川・穴水町の住宅倒壊現場。正月に集まっていた家族が巻き込まれ、7日朝時点で9人が生き埋めになっている可能性があるという。

寺本直之さん(52):
ここまできたら、1日も早く、もう1週間ですから、早く連れ戻したい。

石川・穴水町の住宅倒壊現場
石川・穴水町の住宅倒壊現場
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妻と4人の子供が巻き込まれたという寺本直之さんは、今でも信じることができないという。

寺本さん:
今までいた人が次の日にはいないと思ったら苦しいですよ。みんな子供いなくなって、どうしようかなと思って。なんで私がこんなことにならないといけないのかなと。

現場では、午後2時半過ぎに緊急地震速報が出たため、一時捜索を中断する場面もあった。この地震で、珠洲市と能登町で震度4を観測した。

“奇跡”124時間ぶり救出の瞬間

6日夜には、珠洲市の倒壊した住宅から93歳の女性が124時間ぶりに奇跡的に救出された。

現地で支援活動をしているNGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」が撮影した映像より
現地で支援活動をしているNGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」が撮影した映像より

現地で支援活動をしているNGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」が撮影した映像には、女性に救助隊員らが「お母さん頑張るよ」「わかりますか?わかる?」と懸命に呼びかける姿が捉えられていた。

現地で支援活動をしているNGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」が撮影した映像より
現地で支援活動をしているNGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」が撮影した映像より

消防隊などが住宅の2階部分から中に入り、手作業で女性の上に覆い被さっていた家具などを取り除いたという。

一夜明けた7日、救助にあたった隊員や医師が当時の状況を話した。

緊急消防援助隊京都府大隊 粂孝宣救助小隊長:
左足の膝下が、複数の家具やつぶれた建物の端材等に挟まっており、非常に困難を極めました。

ピースウィンズ・ジャパン 稲葉基高医師:
患者さんの腕と上半身がかろうじて見えている状態でした。腕と首から2本点滴をとりました。

圧力がかかっていたものを急に取り除くと、その後衰弱してしまう「クラッシュ・シンドローム」という症状になることがあるため、救出する前に点滴をする必要があったそうだ。女性は言葉を交わせる状態にまで回復しているという。

現地で支援活動をしているNGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」が撮影した映像より
現地で支援活動をしているNGO団体「ピースウィンズ・ジャパン」が撮影した映像より

救出された女性の息子:
ぺしゃんこだったので、家が。ダメかなと思っていた。
(毎日)「かあちゃん、聞こえるか」って言ってたんですけど、きのう「聞こえた?」と言ったら「聞こえた」と。

倒壊した家屋には、救出された女性の息子の妻もいたが、妻は死亡が確認されたという。

救出された女性の息子:
一つは良かったんですけど、一つは残念です。何もしてやることができなかったので、余計残念です。

熊本と宮城の支援団体が炊き出し

被災地では雪が降り、厳しい寒さの中、今も2万8000人以上が避難生活を余儀なくされている。

能登町の避難所では、雪の降る寒さの中、暖かい食べ物を求めて多くの人が列を作っていた。配られたのは、暖かい豚汁や蒸したサツマイモなどだ。炊き出しを行ったのは、熊本県と宮城県からの支援団体。2011年の東日本大震災、2016年の熊本地震を経験した人たちだ。

熊本支援チーム 池田親生代表:
地震があったからこそ分かることがあるし、そのときに支援してもらえたからこそ助かった部分があるので、少しでもいろんな場所に返していけたらなと思います。
(「イット!」1月7日放送より)