自民党安倍派の“裏金問題”をめぐり、27日、議員側として初の強制捜査が入りました。

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強制捜査の対象となったのは、安倍派の池田佳隆衆院議員。

池田議員は、派閥から4000万円を超えるキックバックを受け、収支報告書に記載していなかった疑いが持たれています。

“雲隠れ”中の強制捜査

東京や地元・名古屋市の複数の関係先に対する一斉捜索。それは、池田議員の“雲隠れ”が続く中で行われました。

自民党の市議会議員A氏:
雲隠れはないわ。もう一緒にはやっていけない。

取材によると、少なくとも12月5日の衆院本会議から、“雲隠れ”状態が続いている池田議員。
今、いったいどこにいるのか。「めざまし8」が、自民党の愛知県の市議会議員らに話を聞いてみると…。

自民党 市議会議員B氏:
何の連絡もないです…。本人はつながらないだろうなと思って、秘書にも連絡しましたがつながらないです。

自民党 市議会議員C氏:
何もわからないよ、本当に。たぶん地元にはいないでしょう。

池田議員と親交のある市議たちですら、行方がつかめないといいます。

他の議員にも強制捜査は及ぶのか

今回の強制捜査について、元東京地検特捜部副部長で、元自民党衆院議員でもある若狭勝弁護士はこう話します。

――議員側初の強制捜査が入りましたが、狙いは?
若狭勝弁護士:

もともと池田議員は、収支報告書の不記載額が大きいので、そういう意味においては、刑事責任の追及が当然されなくてはいけないというスタンスで特捜部は進めていたと思うんです。
ただ、捜索をするかどうかというのは、その後の池田さんの協力度合いとか、何かしら変な動きをしているとか可能性としてあって、家宅捜索まで踏み切ったということだと。

ジャーナリスト 岩田明子氏:
まず池田さんのところに家宅捜索に入った、個人の議員会館それから個人の事務所に家宅捜索が入るということは、やはり重いことで、場合によっては本人の立件も視野に入れていると。
ではなぜ今回家宅捜索に踏み切ったのか、池田さんは早い段階で個人で弁護士をつけて、かなり、黙秘に近いような姿勢を取ったりですとか、派閥の幹部、党の幹部から連絡が取れなくなってしまったり、非常に証拠隠滅、かたくなととられる態度を示していたことも、今回の家宅捜索に踏み切った要因の1つだと思います。

さらに、他の議員にも捜査が及ぶ可能性として、若狭弁護士は「強制捜査が行われるなら年内」と予想します。

――1月の通常国会までに年末年始大きく動きそうですね
古市憲寿氏:

でも、トカゲの尻尾切りで終わってほしくないですよね。やはり次の選挙に受かるための行動をすることだけが、“政治家の仕事”になっていることが一番の問題で。
例えば、捜査が入っている池田議員も、われわれからすると何をやった人なのかわからない。何をやっているかわからない議員を、たくさん国会議員として、置いておく必要があるのですか?というところから、考える時代だと思うんです。

政治にお金がかかるなら、議員を減らして議員の給料を上げましょうとか、抜本的なことを変えていかないで、今の仕組みのままずるずると、一部議員だけ摘発して、結局グレーゾーンを残したまま国会とかが続いていく状況をいつまで続けるんですかと。
岸田さんも仮にも後がないのなら、逆にこういうところを抜本的に解決しますと言ってもらわないと、結局国会もダメ、岸田政権もダメになって、日本の政治不信も強まるだけだと思うんです。

岩田明子氏:
党の直属の機関を作って政治改革をやろうということはおっしゃって、そうしようとはしているんですけども、まだ具体的な中身が見えない。党の幹部の中には「そこまでする必要はない」と言う方もいるようで、こういう時こそ、党全体で改革へ進まなくてはいけないのに…。
1月4日にまた年頭記者会見があるでしょうから、具体的なものを何を出してくるかも大いに注目しています。

年の瀬にさらに大きく動き出した“裏金問題” 。強制捜査は、他の議員たちにも及ぶのでしょうか。
(めざまし8 12月28日放送)