19日午後3時前、安倍派の事務所前で動きがあった。

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フジテレビ 山本賢太アナウンサー:
東京地検特捜部のものとみられる車が、安倍派の事務所に入っていきました

岸田政権に激震が走った強制捜査開始から約5時間後、安倍派の事務所があるビルに入った一台の車。

駐車場のミラーに写っていたのは、証拠となる押収物なのだろうか。車の中に次々とダンボールを積み込み、事務所を後にした。

派閥の政治資金パーティをめぐる“裏金疑惑”の影響は、安倍派や二階派以外の自民党議員にも…

東京都内の住宅街の一角に貼られていたのは、自民党議員のポスター。

(Q.ポスター貼ったのはいつ頃?)
ポスターを貼る家の住人:
8月くらい、突然来て、ここら辺が空いてるので(ポスター)貼らせてもらっていいですか?って

この議員は疑惑が浮上している派閥の所属ではないが、ポスターを貼っている家の住民からはこんな声が聞かれた。

ポスターを貼る家の住人:
選挙に立つのがそんなにお金がいるのかどうなのか。(ポスターを)私も考えもなく「どうぞ」なんて言って貼ってもらったけども、今だったら(貼るのを)断るかもしれない

安倍派・二階派事務所に特捜部が“強制捜査”

長野市内で行われた、先月亡くなった自民党の元議員の葬儀で挨拶に立ったのは、数百万円の裏金を受け取った疑いで政調会長を辞任する“安倍派”の萩生田氏。

自民・安倍派 萩生田政調会長:
今、政策グループで大変ご心配をおかけしていますが、立て直していくことも私の務めと信じ、この場に立たせていただいている

自民党の派閥の政治資金パーティをめぐる“裏金疑惑”が新たな局面を迎えたのは、19日午前9時58分のことだった
自民党本部にほど近い、東京・千代田区平河町
にある安倍派事務所に、家宅捜索に入った東京地検特捜部の係官。突然の事態に、慌ててその姿を追う報道陣がビルの入り口を塞ぐ格好となり、後ろには一瞬、進路を塞がれビルに入れなくなった係官の姿も確認された。

自民党の最大派閥で、5年間で総額5億円を“裏金化”した疑いがある安倍派への強制捜査。

その2分後には、安倍派の事務所から直線距離でわずか50mほどの距離にある二階派の事務所が入るビルへ、特捜部の係官ら10数人が家宅捜索に入った。

キックバック分は報告書に載せていたものの、派閥の収入の一部は記載しておらず、その5年間の総額が1億円を超えるとみられている二階派。30分後にも10人ほどの係官が、厳しい表情で次々と家宅捜索に入る様子が確認された。

SNSには「やっと強制捜査?遅すぎる」との投稿も…

岸田総理は“安倍派の閣僚を一掃する人事”を行ったが、二階派に所属する2人が閣僚に留まったままだ。

(Q.安倍派の議員は辞職したりしていますが、大臣としては出処進退はどうされるおつもりでしょうか?)
二階派 小泉法相:
え?え?ちょっともう一度。すいませんもう一度。
(Q.大臣としてお立場どうおされるのか?)
様々な状況を踏まえて、私と政策集団との関わりについては、適時、適切に判断していきたいと

午後、取材に応じた岸田総理は「二階派の小泉氏が、検察を指揮監督する法務大臣に就いていることで、捜査の公平性・中立性に疑義は生じないのか」と記者団に問われると…

岸田首相:
捜査が厳正に行われなければならない、これは当然のことであると考えます

こう話した上で、二階派の閣僚2人については続投させる考えを示した。

こうした中、SNSには「やっと強制捜査?遅すぎる」「“予告捜査”じゃ、証拠がシュレッダーされてしまうのでは?」など「強制捜査が遅すぎる」との投稿もみられた。

フジテレビの平松解説委員は「特捜部は、これまでの内偵捜査により事件の概要を明らかにしていて、慌てて家宅捜索を行わなくてもいい状況だった」と指摘する。

フジテレビ 平松秀敏解説委員:
今回の家宅捜索の一番の狙いは、これまで事情聴取を重ねたり内偵調査を進めてきて、その事実関係が家宅捜索から押収したメールとかと合致して、間違いないんだと裏付けるもの。特捜部としてはかなり自信を持って、この捜査を進めているんだと思います             (「イット!」12月19日放送より)

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