派閥のパーティー券をめぐる裏金疑惑が拡大する自民党。
11日は、オリンピアンの橋本聖子元五輪相が釈明に追われた。
オリンピアン・橋本聖子元五輪相も「申し上げることはできない」
── 1000万円を超えるキックバックを受けていたという一部報道がありますけれども、事実関係を聞かせてください。
自民党“安倍派”・橋本聖子元五輪相:
その件につきまして、刑事告発を受けている案件でもありますので、今申し上げることはできませんけれども、しかるべき時に説明責任を果たしていきたいというふうに思っています。
1992年のアルベールビルオリンピックで銅メダルを獲得した橋本聖子元五輪相。
1000万円を超えるキックバックを収支報告書に記載せず、事実上の「裏金」にしていた疑いが浮上した。
── キックバック自体はご認識はありましたか?
自民党“安倍派”・橋本聖子元五輪相:
はい、それについても、今申し上げることができない状況です。申し訳ありません。
── 会計処理の方法について派閥から何らか指示はあったでしょうか?
自民党“安倍派”・橋本聖子元五輪相:
はい、それも今申し上げることができませんので。
国民の皆さんにこういった政治不審を招いてしまったということに対しても、心からおわびを申し上げたい。
橋本聖子元五輪相は、「申し上げることができない」と繰り返し、説明を避けた。
自民党の最大派閥・安倍派のパーティー収入をめぐる裏金疑惑。
安倍派の実力者5人衆に、約100万円から1000万円を超える裏金疑惑が次々と浮上し、11日も説明に追われた。
自民党“安倍派”・松野博一官房長官(参院本会議で):
(派閥において)今後、事実確認のうえ、適切に対応するものと認識しております。
自民党“安倍派”・西村康稔経産相(参院本会議で):
現在、清和政策研究会(安倍派)において、慎重に事実関係の精査が行われているものと承知をしております。
また、自民党“安倍派”・羽生田政調会長は午後4時前、「人事は総理の専権事項でありますけれども、出処進退については自分で決めたいと思っています」と記者に答えた。
安倍派複数議員に数千万円以上の“裏金疑惑”浮上
さらに安倍派では、複数の議員に数千万円以上の裏金疑惑が浮上していることも明らかになった。
数千万円の裏金を受け取った疑いがある、谷川弥一衆院議員(82)が10日、長崎市で取材に応じた。
── 事実関係の方、ご説明いただけますでしょうか?
自民党“安倍派”・谷川弥一衆院議員:
読み上げますよ。清和政策研究会のパーティー件の問題について、刑事告発を受けている案件でもあり、 事実関係を慎重に調査確認して適切に対応してまいりたい。
── キックバックがあった?
自民党“安倍派”・谷川弥一衆院議員:
今コメントしただけです。僕は今言えることは。
裏金疑惑についての具体的な質問には、不快感をあらわにした。
── 販売ノルマというのはどのくらいだったんでしょうか?
自民党“安倍派”・谷川弥一衆院議員:
だから今言った通りって言ってるでしょ。今言った通りって。
── 会派の中でそういったことがあった?
自民党“安倍派”・谷川弥一衆院議員:
まあいいから、その通りって。何を言ってもその通りって。頭悪いね。言ってるじゃないの。
同じく数千万円の裏金疑惑が持たれている自民党“安倍派”・大野泰正参院議員(64)は「刑事告発をされ、捜査が進んでいる段階であり、私どもとしましても、しっかりと精査して、そして適切に対応しているところでありますので」と話した。
さらに疑惑が報じられて以降、国会への欠席を続けている自民党“安倍派”・池田佳隆衆院議員(57)も11日、事務所を通じて「事実関係を慎重に調査・確認し、適切に対応してまいります」とコメントした。
関係者によると、安倍派ではキックバック分の現金を議員側に手渡しした際、 受け取ったことを示す「受領書」に署名させていたケースがあることが11日、新たにわかった。
野党は11日、松野官房長官の不審任案を提出。12日は内閣不審認決議案の提出も検討している。
こうした中、安倍派議員をすべての役職から一掃する案が浮上している。
岸田首相は午前9時ごろ、記者の質問に対し、「適切なタイミングで適切に対応を考えていきたいと」と答えていた。
終盤国会は最後まで大荒れの様相となっている。
(「イット!」12月11日放送より)
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