「私も在団中に自宅で『もう死んでしまおう』と思ったことがありました。きのうの会見を見て、誰かが声をあげなきゃいけないんだって、黙っていたらダメだなって思って、こうして、お話をさせていただこうと思って決意しました」

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「めざまし8」の取材にそう話すのは、数年前に宝塚歌劇団を退団したという元タカラジェンヌです。

14日に行われた歌劇団側の会見では、女性団員の転落死について上級生からの「いじめ」や「パワハラ」などは確認できなかったと説明しました。しかし女性はこの見解に「納得ができない」と話します。

元タカラジェンヌ:
きのう(14日)の会見を見て本当にがっかりを通り越して。なんでしょうね…嫌悪感を抱いてしまって。何も変わる気がないんだなって。

そして、自身が在籍中に経験したことを、話してくれました。

元タカラジェンヌ:
かつらが上級生の方と“かぶって”しまっていて「それっておかしいよね」って。“ドーナツ”とかって言われているけど、私が真ん中に入れられて、周りからすごい「何考えてるねん!」みたいな。真っ暗闇の中でずっと言われ続けて、ひたすら私はぐるぐる回りながら、「すみませんでした。すみませんでした」って。そういうことが日常茶飯事というか、それが誰も悪気を持ってやってないということが問題ですね。

さらに、年次が上がるにつれて、パワハラまがいの行為を“される側”から“する側”へと変わっていったことを悔やんでいるといいます。

元タカラジェンヌ:
7年生のときは、私は「やってしまった側」なんですよね。だから、私は宝塚時代の自分というのはすごく許せない。嫌いなんです。思い出したくないんですよね。

パワハラ的な上下関係の厳しさを批判する一方で、被害者側の弁護士が主張した上級生からヘアアイロンを額に当てられ、やけどを負ったという行為については、上級生が下級生に髪の巻き方などを教えることは日常的にあることだと話します。

元タカラジェンヌ:
「ベルサイユのばら」みたいな縦ロールというのは自分でやるんですね。なので上級生の方が下級生の前髪をちょっとこう、やり方を教えてあげたりとかっていうので、それは日常的に行われていることで。その時につい当たってしまって、首筋とか鼻とかおでこにジュッてなっちゃうのは正直私もありました。

「ついに出てしまったか」宝塚歌劇団の今後

会見後も波紋が広がり続ける宝塚歌劇団をめぐる問題。元タカラジェンヌの女性は“今”が変わるべき時だと語ります。

元タカラジェンヌ:
私は宝塚の舞台は素晴らしいと思っています。舞台は素晴らしい。総合芸術というのは世界に一つだなと思っていて、それは素晴らしいんですけど。それを守る組織が崩壊している。それで、それを踏まえて、世間の皆さまはどう思うのかなというところですよね。やっぱり人一人亡くなってしまったっていうのが現状としてあって、それは大げさなことではなくて、中にいた人間としては「ついに出てしまったか」っていうのは正直な意見だったので、舞台は素晴らしいけれども、その組織がどうなっているのかっていうのは、今回の件で分かったと思うので、それでも応援してくださるのかというところですよね。
(めざまし8 11月16日放送)