秋が深まり冬が近づく中、岩手県内の酒蔵では日本酒の仕込みが本格化している。そんな中、盛岡市の酒蔵では、若手杜氏(とうじ)が仕込む人気の新酒の出荷が始まった。

若者にも魅力を…9年前ブランド発足

1896年に大槌町で創業した赤武酒造は東日本大震災で被災し、2013年からは盛岡市の工場で酒造りを行っている。赤武酒造の六代目で杜氏の古舘龍之介さん(31)は、東京の大学で日本酒について学び、家業である酒造りをするため約10年前に岩手に戻ってきた。

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赤武酒造 杜氏・古舘龍之介さん:
復興・復活ということで酒造りをスタートしたが、それだけでは駄目で、もっと良いもの、飲んでおいしいものを造っていかなければならない

龍之介さんが立ち上げたブランド「AKABU」
龍之介さんが立ち上げたブランド「AKABU」

龍之介さんは若い人にも日本酒の魅力を伝えようと、2014年に「AKABU」のブランドを立ち上げ、国際的な品評会で入賞するなど県内でも指折りの酒蔵に成長した。

社長も期待「すごく頼もしく感じる」

10月27日、朝の寒さが一段と増し、各地で酒造りが本格化する中、赤武酒造でも朝から龍之介さんを中心に米の蒸しあげ作業などの仕込みに追われていた。

赤武酒造 杜氏・古舘龍之介さん:
もっとおいしいものを。毎年、去年より絶対おいしいものを造るという思いでやっている

龍之介さんの日本酒を仕込む姿に、父で社長の秀峰さん(58)も頼もしさを感じている。

赤武酒造・古舘秀峰社長:
すごく頼もしく感じる。若い子たちも引っ張ってくれている。(みんな)良い酒を造ろうと励んでいるので、それが何より当社の強み

人気の新酒は1人1本限定で販売

赤武酒造がこの時期、特に力を入れている新酒が「AKABU 純米吟醸 NEWBORN」だ。グラスに注ぐと爽やかな香りで、フレッシュさと新酒ならではの荒々しさも感じられる。

新酒の「AKABU 純米吟醸 NEWBORN」
新酒の「AKABU 純米吟醸 NEWBORN」

この日は「AKABU 純米吟醸 NEWBORN」の発売日で、仕込みを終えた龍之介さんは早速、市内の酒販店に顔を出した。

赤武酒造 杜氏・古舘龍之介さん:
フレッシュなものをこの時期に出したいと思うので、ぜひ広報をよろしくお願いします

吟の酒 きぶね・村井守幸社長:
バンバン売れてますよ

この酒販店には、「AKABU」の商品目当てに海外のお客さんも来店するということで、人気の新酒は1人1本に限定して販売を行っていた。

吟の酒 きぶね・村井守幸社長は、「年々(赤武酒造の)お酒が良くなっていくので、お客さんが見逃せないという気持ちになっているのでは」と話す。

赤武酒造 杜氏・古舘龍之介さん:
コロナが明けて、みんなが集まって楽しく飲む機会があると思うので、おいしく日本酒の良さを感じながら飲んでほしい

(岩手めんこいテレビ)

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