山口・岩国市の「いわくにバス」が、バス停に貼った「バスの減便」を告げる張り紙が、今SNSなどで物議を醸しています。

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張り紙には、「運転士の退職を受けて急遽ですが、土日祝運行のみ便を減便、一部時刻を変更します」という文言と共に…。

「退職理由:拘束時間が長すぎて自分の時間が取れない。子供にまだまだ金がかかる」

なんと、運転士が退職した理由まで記載されていたのです。

張り紙の写真をSNSに投稿した人物は、めざまし8の取材に対して「こんなことまで書くんだなという驚きで、X(旧Twitter)に投稿しました」と話します。

社長明かす切実な理由

なぜ、減便のお知らせに、“退職理由”まで掲示したのか。SNS上では、「個人情報とかコンプライアンスと対極」「運転手への感謝も生まれるのでは」と様々な臆測が飛び交いました。

実際に、いわくにバスの社長を取材すると、そこには切実な思いがあったといいます。

いわくにバス 社長:
特段強いメッセージみたいなものはないんです。とにかく退職理由を聞かれるので…、答えないと怒る方もいるんです。

運転手が辞める背景には、行政から補助金をもらってはいるものの、赤字補填にまわし、給料アップはできていないという厳しい現状があるといいます。

減便は、早朝や夕方以降など、影響がなるべく少ない便を選んでいるとはいえ、「影響がゼロではない、申し訳ない」と話します。さらに、運転士の退職の対策ができない責任として、約7年前から自ら運転もはじめ、朝6時半から勤務していることを明かした社長。

いわくにバス 社長:
一つの責任の取り方として、運転をしています。

路線バスをめぐっては、2024年にはドライバーの労働時間の規制などで、運転者不足がより加速するとされています。今後、バス事情はどうなっていくのでしょうか?
(めざまし8 11月9日放送)