コロナ禍に入学した大学4年生にとっては、2023年が“最初で最後”の大学祭。11月5日、広島市内の大学祭で販売されたお好み焼きが「本格的すぎる」と人気を集めた。4年越しの笑顔と、その裏側を取材した。

大学祭で行列「店のお好み焼きみたい」

たっぷりのキャベツと麺が入った広島のお好み焼き。作ったのは、広島工業大学の学生たちだ。

広島名物・お好み焼きを学生が手作り
広島名物・お好み焼きを学生が手作り
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その味は…

客:
めっちゃ、ちゃんとしている。キャベツもたくさん入っていておいしい

客:
店で出されてもおかしくないような、おいしい味です

11月5日、広島工業大学の大学祭で販売されたお好み焼きに、長蛇の列ができた。

広島工業大学「工大祭」でお好み焼きの模擬店に並ぶ人々
広島工業大学「工大祭」でお好み焼きの模擬店に並ぶ人々

まるで専門店のようなクオリティーを実現できた裏側には、お好み焼きのプロによる特別レクチャーがあった。

本番前にプロの熱血指導を受けていた

大学祭の3日前、学生たちは広島市西区のオタフクソースの研修施設を訪れた。

広島のお好み焼きは、丸くのばした生地の上にキャベツ、もやし、豚肉などをのせる“重ね焼き”。焼き慣れていないと、ヘラでひっくり返すときにバラバラになってしまうことも…。ひっくり返すコツを教わろうと、学生たちは真剣な表情で鉄板のまわりに集まっている。

指導するオタフクソース社員:
ヘラで持ち上げて、前に出してひっくり返す

さすが、お好み焼きのプロ。具材が飛び出すことなく見事にひっくり返し、学生から「おー!」という歓声が上がった。西山穂乃加キャスターも学生の奮闘ぶりに密着。

西山穂乃加 キャスター:
皆さん、帽子とエプロンがバッチリですね。どういう仲間ですか?

学生の奮闘ぶりを取材する西山穂乃加 キャスター(右)
学生の奮闘ぶりを取材する西山穂乃加 キャスター(右)

広島工業大学 4年・加村凜さん:
ゼミが一緒です。最後の大学祭で失敗しないようにと思って積極的に参加しました

キャベツの千切りに悪戦苦闘

しかし、日頃、料理をしないという学生たちは材料を切るところから悪戦苦闘。特にキャベツの千切りが難しく、太くなったり短かったり…。

西山穂乃加 キャスター:
どこが難しかったですか?

広島工業大学 4年・谷口彰吾さん:
キャベツの外側の葉は、最初も難しかったんですけど、最後の部分がうまく切れなくて

お好み焼きの実技指導は、オタフクソースが全国の学生の模擬店を対象に2002年から無償で開いているもので、新型コロナの制限撤廃を受け、2023年は4年ぶりに再開された。

オタフクソース お好み焼課・粟森勇介さん:
モノを売るよりコトを売ることを大切にしています。大学祭に来たお客さんとコミュニケーションも取れると思うので、お好み焼きを通して人とつながって、より楽しさを味わってもらえたらなと思っています

上手に作るコツは高温・短時間で焼き上げること。アツアツの熱血指導で、プロの技をたたき込んでもらった。その成果を、大学祭より一足先に西山キャスターが実食。

焼き上がったお好み焼きを食べる西山キャスター
焼き上がったお好み焼きを食べる西山キャスター

西山穂乃加 キャスター:
いただきます。しっかりフワッと焼けていて本格的です。おいしいです

新型コロナの影響で4年ぶりの通常開催

迎えた大学祭当日、朝から約10玉のキャベツを切り、気合も準備も万端。

広島工業大学 4年・加村凜さん:
みんな活気があっていいと思います。僕も元気づけられます。隣の模擬店もライバルなので、売り上げでは負けたくないですね

広島工業大学の大学祭は新型コロナの影響で2020年に中止、2021年・2022年と規模縮小が続いたため4年ぶりの通常開催。久しぶりに模擬店がずらっと並んだ。その中でも「お好み焼き」ののれんとのぼりを掲げた本格的な外観はひと際、目立っていた。

「お好み焼きどうですか?400円です。待っています」と、メンバーが会場内を宣伝してまわる。すると、正午前には長い行列ができていた。

「最初で最後の大学祭」を最高の思い出に

店は大盛況!鉄板をフル稼働させ、焼いていく。仕上げにお好みソースもたっぷりと。

「はい、お好み焼き一丁上がり!次の生地、生地、生地」
予想以上の忙しさにみんなのテンションが上がる。季節外れの陽気の中、汗だくになって焼き続けた。学生たちにとっては待ちに待った通常の大学祭。この忙しさも「喜び」である。

目のまわるような忙しさでお好み焼きを焼く学生たち
目のまわるような忙しさでお好み焼きを焼く学生たち

広島工業大学 4年・谷口彰吾さん:
4年間ずっと参加できていなかったので、久々の高校以来の感覚で楽しいです

ヘラの使い方もどんどん上達し、“本格的すぎる”お好み焼きは見た目も味も大好評。

客:
上手だと思います。家で料理をしない子もいるでしょうけど、いいと思います

広島工業大学 4年・加村凜さん:
僕は広島の人間なんですけど、お好み焼きを焼く側の立場は分からなかったので、自分たちでやることによって苦労ややりがいが身にしみました。最初で最後の大学祭でしっかり思い出を作ることができました

広島のソウルフード・お好み焼きを通して、かけがえのない思い出ができたようだ。秋空の下、キャベツを抱えて忙しく動きまわる学生たち。4年越しの笑顔がまぶしかった。

(テレビ新広島)

テレビ新広島
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