バスケットボールの「長崎ヴェルカ」は2023 - 24シーズンから、スターぞろいの国内最高峰・B1リーグに挑戦している。リーグ参入からわずか2年でB1昇格を果たした長崎ヴェルカ。チームに日本代表選手も迎え、新たな船出だ。

強豪・千葉ジェッツ相手に連勝

2020年のクラブ発足から3年。長崎のまちに少しずつ“バスケ文化”が根付き始めている。

強豪・千葉ジェッツ相手に連勝
強豪・千葉ジェッツ相手に連勝
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長崎で初めてB1の試合が開かれた2023年10月8日と9日、長崎ヴェルカは強豪・千葉ジェッツを相手に記念すべき連勝を飾り、アリーナは興奮に包まれた。

試合が行われた長崎県立総合体育館の約4,000席分のチケットは一般発売開始当日にソールドアウト(完売)。

「もうドキドキしかない。1週間眠れてない」「一流選手が見られるのも楽しみ。ヴェルカも負けないと思って頑張ってほしい」と、待ちきれないブースター(ファン)が試合開始の2時間以上前から集まった。ヴェルカは「長崎を活性化する必要不可欠な存在だ」と力を込めて話す。

日本代表の馬場雄大選手 開幕直前に電撃加入
日本代表の馬場雄大選手 開幕直前に電撃加入

ビッグネームの加入も長崎のバスケ人気を加速させている。期待する選手の名で多くのブースターが口をそろえて挙げるのは馬場雄大選手だ。

日本代表の主力・馬場雄大選手が開幕直前に電撃加入。開幕節はコンディション調整で出場しなかったが、チームを指揮する前田健滋朗ヘッドコーチも「出場に向けて準備を重ねたい」としている。

ホーム戦の観客数は2日続けて過去最多

開幕節2試合の相手は、日本代表の富樫勇樹選手を擁する千葉ジェッツ。日本のバスケ界を引っ張るタレントチームと対戦できるのも「B1」ならではだ。

ヴェルカのスタイルは、激しい守備から「3Pシュート」と「速攻」を重視する本場アメリカNBA仕込みのアップテンポなバスケだ。

チャンスがあればどんどんシュートを打ち、そのたびに会場を沸かせた。リーグきっての実力チーム相手でもそのスタイルは揺るがない。

富樫選手の個人技で千葉の雰囲気になりかけても、ブースターがヴェルカを後押しする。ホーム戦の観客数は2日続けて過去最多を更新し、多くの人が連勝を見届けた。

前田健滋朗ヘッドコーチ:
常に一生懸命、選手たちがプレーしている部分が重なって応援してもらっている。コート上でどんな戦術であれ、一生懸命やるのはクラブとして絶対にぶらさないし譲れない部分

3部にあたるB3から在籍する選手も感慨深げだった。

狩俣昌也選手:
2年前にここでホームゲームする時に、会場に向かうバスの中でヴェルカのユニホームやシャツを着ている家族連れを見て、僕たちが1試合もしていない時にそこから立ち上がって。ことしB1で、これだけ3,900人くらいのお客さんが入って、感慨深いものがあったし、幸せな時間だった

比良寛治選手(長崎出身):
僕自身がB3のチームからトライアウトを受けて、B1でプレーできているのは多くの方に支えられているから。恩返しするには結果を出すしかない

バスケ観戦メインの“スポーツバー”誕生

バスケ文化はまちでも芽吹き始めている。長崎市中心部には10月、バスケ観戦をメインとした初のコミュニティーバーが誕生した。その名も「BOOSTERS」だ。

中には試合が観られるモニターがたくさんあり、環境が整っている。NBAのレジェンド、マイケル・ジョーダンの直筆サイン入りのユニホームも展示されている。

店内には試合を観られるモニターを数多く設置
店内には試合を観られるモニターを数多く設置

「BOOSTERS」はヴェルカの試合がある日は必ずオープンし、メキシコ料理とともに観戦することができる。

BOOSTERS・中島啓貴店長:
長崎ヴェルカがB1に上がったことで、会場で観る人もいるが、チケットも完売になって観られない人もいるかと思う。スポーツバーという形で、現地に行けない人がお酒を飲みながら観られる場所を作りたいと思った

開幕節もフロアを埋めるほどの人が集まり声援を送った。

中島店長は「ほかのチームのブースターも関係なく、コミュニケーションが取れるような店になってほしい」と期待を込める。

2024年秋には、6,000人が楽しめる長崎スタジアムシティのアリーナが完成する。

“バスケで長崎を元気にする”。結成時の3年前に大きな目標を掲げて船出したチームは、実現に向けて着実に歩みを進めている。

(テレビ長崎)

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