子どもたちが遊ぶ園庭で重大な事故が起きてしまった。10月12日、長野県山形村の保育園で6歳の男の子の顔に長さ25センチのピンセットが刺さり、男の子は脳内出血の大けがをした。村の教育委員会が開いた会見に同席した祖母は「ピンセットが園になければ事故は起きなかった」と話し、二度と同じような事故が起きないよう対策してほしいと訴えた。

保育園の滑り台で遊んでいて…

長さは約25センチ。男の子のまぶたの近くに刺さったピンセット。

事故は10月12日、山形村の山形保育園で滑り台を滑っていた6歳の年長男児の右のまぶた近くに、男の子が手に持っていたピンセットが刺さった。

男の子は祖母が松本市内の病院に連れて行き、検査の結果、脳の出血が確認された。 その後、県立こども病院に救急搬送されたが、10月20日に退院し、会話や食事は出来る状態だという。

山形保育園の園庭(長野県山形村)
山形保育園の園庭(長野県山形村)
この記事の画像(5枚)

ピンセットは園児でも持ち出せる状態

山形村教育委員会は20日、会見を開き、根橋範男教育長は「安全で楽しく過ごす保育園でこのような事故を起こしてしまい本当に申し訳なく思っています。誠に申し訳ありませんでした」と陳謝した。

藤沢洋史教育次長は、当時の状況について「ピンセットを右手に持った状態で大型遊具から腹ばいで滑り、着地の際にピンセットが右目まぶた付近に刺さったと思われます」と説明した。

山形村教育委員会が陳謝
山形村教育委員会が陳謝

園庭には園児79人と保育士17人がいたが、事故を目撃した職員はいなかった。

ピンセットは、クラスで飼育するカエルにエサをあげるときに使うもので、担任の保育士が持ち込んだ私物だった。

飼育箱は庭に面したテラスの棚にあり、ピンセットもその下に置いてあったという。

園児でも簡単に持ち出せる状態だった。

藤沢教育次長は、「先生に許可をもらってから使うルール、当日それがされていたのか、管理のずさんさはいなめない」と話した。

山形保育園(長野県山形村)
山形保育園(長野県山形村)

祖母「ピンセットが園になければ」

会見場に同席した男の子の祖母は、このピンセットについて「最初見たとき身震いしました。このピンセットが園になければこんな事故は起きなかったというだけです。しっかり検証していただいて、ほかの園児がこういう事故に遭わないように対策してほしい」と訴えた。

村の教育委員会は、外部の有識者などでつくる検証委員会を立ち上げ、事故の検証と再発防止策の検討を進めるとしている。

園では10月20日夜、保護者説明会が開かれる。

園児のまぶた近くに刺さったピンセット
園児のまぶた近くに刺さったピンセット

(長野放送)

長野放送
長野放送

長野の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。