全国の学校や公共機関の食堂で、運営会社「ホーユー」による食事の提供がストップしていたが、広島県の一部の県立高校の寮では16日、およそ1か月半ぶりに食事の提供が再開された。
温かいご飯にホッと一安心
庄原市の西城紫水高校では、新たな事業者が入り、食堂はようやく再開された。

鈴木崇義記者:
いま新しい事業者の調理員の手によって、料理が盛り付けられています

9月、広島市の給食事業会社「ホーユー」が全国各地で請け負っていた食堂の運営を突如ストップ。その後、広島地裁では「ホーユー」の破産手続きが進んでいる。

広島の県立高校6校の寮にも影響がでた。

庄原市の西城紫水高校ではこの1か月半の間、教職員が弁当を調達したり、ボランティアなどの支援を受けて寮生の食事をなんとか、まかなってきた。

16日からは、福山市の新しい事業者が入り、食堂の運営がやっと再開した。

西城紫水高校の寮生:
食事が毎回冷たかったけど、久しぶりに温かいのが食べられた

(Q:きょうのメニューはどう?)
寮生:
いや~最高ですね!

(Q:この1か月半は?)
寮生:
長かったですね

待ちに待った温かい食事に笑みがこぼれる。

西城紫水高校 梅田敏秀校長:
いろいろな生活のリズムが、また元に戻ったということでホッとしている。この1か月半の間に食事の提供や物資の支援をしていただいた方々に本当に感謝しかないです

やはり、16日から食事の提供が再開した東広島市の西条農業高校でも…。

3年生で副寮長の中田さんは”当たり前の食事”がストップした、この1カ月半の日々をこう振り返る。

西条農業高校3年 中田路隠さん:
1か月半前に、食事がとれないと聞いてまず一番最初に浮かんだのが、この先大丈夫なのかなという思い。食事の時に少し会話を増やすことで、気持ちを紛らわすことができたのかなと思う

新事業者探しが難航し、再開のメドが立たない学校、施設も
一方、いまだ寮の食事がストップしている残りの県立高校4校は、ホーユーが残した大型設備の移動の影響で、食事の再開は23日になる予定。

広島県内のほかの学校などは、はたして、どうなっているのか。PTAが新たな委託先を探している広島市立沼田高校は、複数の業者が関心を示しており、11月中旬の再開を目指している。

また、食堂と売店をホーユーに委託していた県立広島大学庄原キャンパスでは2日までに新たに2つの事業者が入り、営業が再開された。

しかし、テレビ新広島の取材で明らかになっている広島市内の学校2校の学食は、委託先探しが難航しているほか、県議会の食堂も閉ざされたままだ。

給食事業者「ホーユー」の破綻は、物価と人件費の高騰と値上げを簡単にできない入札制度に原因があるといわれているが、全国に影響を及ぼした問題の解決には、まだ時間がかかりそうだ。
(テレビ新広島)