プロバスケットボール・Bリーグのレフェリーのウェアが、ファッション企業「アダストリア」によって生まれ変わる。「好きなこと」というファッションとスポーツの親和性を生かし、レフェリーの地位向上を目指す。

“陰の立役者”もファッショナブルに

試合をつくる陰の立役者、レフェリーのウェアがファッショナブルになる。

7日に開幕した、プロバスケットボール・Bリーグ。

実は今年、“世界一型破りなライブスポーツエンタメ”を掲げるBリーグならではの、“日本初”となる新たな取り組みが。

それは、熱戦を演出するレフェリーの、“新ウェア”だ。

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今回、「nico and ...」や「GLOBAL WORK」などを手がけるアダストリアがウェアを開発した。プロスポーツのトップリーグのレフェリーウェアを、“ライフスタイルカジュアルファッション企業”が手掛けるのは、日本初の試みだという。

動きやすさや、耐久性などの機能面はもちろん、デザイン面では、胴部分にトライアングル柄のデザインが施され、肩周りには汗染みが出にくい黒色を採用した。

レフェリーは信頼性が重要

着用するレフェリーに、感想を聞いた。

今夏プロ契約・阿部聖レフェリー:
我々の職業は見た目がすごく大事。信頼してもらわなきゃいけない職業。すごくきれいに着たいし、清潔感を保ってゲームに臨みたい

現状、プロフェッショナルレフェリーは国内にわずか4人。

多くのレフェリーは別に本業があり、その傍で活動するという環境の中、試合をつくる“陰の立役者”レフェリーの地位向上を目指すための今回の取り組み。

今夏プロ契約・阿部聖レフェリー:
若者の方や学生さん、このユニホームと一緒にそういう方々に夢を見ていただけるように、レフェリーもバスケットに関われる一つの職業と目指していただければ、すごくうれしい

さらに、ファッションの力でスポーツを元気に。そんな新たな価値の創出も期待されている。

アダストリア・風間陽子 広報部長:
(スポーツは)知らない人同士でも一緒に盛り上がれる、共通言語だと思います。ファッションを自分の好きなもの、自分らしく生きるみたいなことと捉えた時、スポーツはファッションとの親和性が非常に高いと思います。こういった場で一緒に楽しむ、その時間を共有するということを、我々ファッション企業として演出していけたらと思います

“人をつなげる力”で盛り上がりを

 

「Live News α」では、一橋ビジネススクール教授の鈴木智子さんに話を聞いた。

堤 礼実 キャスター:
アパレルブランドによるBリーグの審判へのウェアの提供、どうご覧になりますか。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
スポーツのユニホームは進化し続けています。スポーツへの人々の注目が高まるほど、よりファッショナブルなものに変わっていきました。

ただ、これまでファッションブランドは、スター選手へのウェア提供や、チームユニホームなどを手掛けることがほとんどでした。

それが今回、レフェリーに注目して、そのウエアをアダストリアが手がけました。これはマネジメントの観点からは、スポーツを活性化するために有効な手段なんです。

堤 礼実 キャスター:
というのは?

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
あるスポーツが盛り上がるためには、選手はもちろん、レフェリーなどの関係者、さらには、ファンやチームがある地域など、すべてのステークホルダーとのつながりを強化することが欠かせません。

スポーツには、人をワクワクさせたり、誰かと誰かを結ぶ力があります。これはファッションも同じです。

アダストリアの使命は、洋服をつくって、それを売ることではありません。ファッションを通じて、人々の心を豊かにすることです。

だからこそ、アダストリアは人々の心を変え、地域を元気にする力を持つスポーツに寄り添い、ファッションを通してそれを支えようとしているのです。

堤 礼実 キャスター:
確かにBリーグにとって、アパレルブランドとの連携は大きな力になりそうですね。

一橋ビジネススクール教授・鈴木智子さん:
Bリーグ側は、世界一型破りなライブスポーツエンタメを掲げています。アパレルブランドとの提携は、ゲームを盛り上げるファッション性の進化を図る上で大切なポイントになります。

一方のアダストリアにとっても、Bリーグの盛り上がりに自分たちが携わったいることで、モチベーションのアップにつながるはずです。

さらに、Bリーグを応援するファンにとって、アダストリアが一緒にBリーグを育ててくれたという想いをきかっけに、アダストリアのファンになってくれるかもしれません。

Bリーグのさらなる成長に向けて、ファッションが果たす力に期待したいです。

堤 礼実 キャスター:
審判はスポーツにおいて欠かせない存在です。選手だけでなく、こういった試合を支える審判という存在にも焦点を当てることで、スポーツ界の盛り上がりにもつながるのではないでしょうか。
(「Live News α」10月10日放送分より)

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