暴走グループの「聖地」とされる福岡・田川市の交差点で繰り返される暴走行為。原付バイクに乗った仮面の2人組が信号無視や警察を挑発する。危険な暴走の一部始終をテレビ西日本のカメラが捉えた。

危険な“暴走行為”再び

2023年8月に福岡・田川市で起きた危険な暴走行為。暴走車両が白い物体をまき、その顔はマスクをかぶっていて見えなかった。

白い物体をまいてバイクで暴走する仮面の2人組
白い物体をまいてバイクで暴走する仮面の2人組
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現場となった交差点は暴走グループの「聖地」とされ、約200人のギャラリーが集まっていた。暴走を繰り返していたのは16歳の少年ら4人で、いずれも警察に検挙された。

しかし、10月8日、再びカメラは暴走行為を捉えた。
前回と同じ現場で原付バイクに乗った仮面をかぶった2人組が、暴走行為を繰り返していた。

集まる若者「かっこいいっす」

暴走行為の前日、SNSに投稿されたのは「田川の伝説再び!!」「田川暴走ぶち上げ!!!!」などの文言。問題の交差点で暴走グループが現れるというものだった。

現場に記者が向かってみると、若者がかなり集まって来ており、警察も準備している様子だった。

10月8日未明、田川市夏吉の交差点付近には約500人のギャラリーが集まっていた。なかには、中年の男性や小さな子どもを抱えた母親の姿も見られたが、その多くが若者だ。

現場を訪れた少年に「どうして田川でこんなに暴走があるのか」と尋ねると、「田川は暴走の町だからです。かっこいいっす。かっこいいっす。ばっちばちです」と答えた。

また別の若者たちからは、「(君は暴走族?)暴走族、一応ね」「(なんで暴走族する?)やっぱヒーローや」などの声が聞かれ、中には「(ださいと思わない?)殺すばい」と話す若者もいた。

「暴走族はヒーロー」だと話す若者たちの足元に目をやると、たばこの吸い殻が大量に捨てられていた。

信号無視に警察を挑発…やりたい放題の暴走

そして午前3時過ぎ。原付バイクに乗った仮面の2人組が現場に現れた。

桜井福大記者:
警察官の前を原付バイクが通り抜けて行きます。警察官は撮影しています。赤信号です

2人組は、手に持った棒を振り回しながら警察を挑発する。

トラックの近くで蛇行運転をしている
トラックの近くで蛇行運転をしている

さらに、信号などお構いなしに交差点で蛇行運転を繰り返すし、そのすぐ横を大型トラックが通る。

桜井福大記者:
いずれも危ないですね。完全に信号無視しています。トラックもいるんですけど、無視して蛇行運転を繰り返しています

黒い車が原付バイクをあおる
黒い車が原付バイクをあおる

さらに暴走行為を繰り返す2人を車に乗ったギャラリーの一部があおる場面もあった。

桜井福大記者:
危ない、危ない。黒い車が原付バイクをあおっています

警察は証拠映像を撮影
警察は証拠映像を撮影

現場には数十人の警察官がいたが、追いかけるなどすれば大きな事故につながるおそれがあるため後日、検挙できるよう証拠映像の撮影に徹する。

「何がしたい?」記者の問いかけに挑発

ヘルメットをかぶらず、信号無視を繰り返す仮面姿の2人組。

記者に対して中指を立てている
記者に対して中指を立てている

「何が楽しい?」「何がしたい?」、やりたい放題の2人組に思わず記者が問いかけたが、中指を立てて仮面の2人は暴走行為を続けた。

結局この日、仮面姿の2人組は約2時間にわたり暴走行為を繰り返した。警察は、撮影した映像を元に道路交通法違反などの疑いで捜査している。

SNSなどを通じて暴走行為の実施が呼びかけられているが、一歩間違えば大きな事故につながりかねない。

原付バイクで暴走する仮面2人組
原付バイクで暴走する仮面2人組

暴走族は「かっこいい」というゆがんだ若者の声もあるが、暴走行為は犯罪。人の命を奪ってしまうような事故にもつながりかねないのだ。

(テレビ西日本)

テレビ西日本
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