繰り返される真夜中の暴走行為。9月7日、警察は暴走グループの「リーダー格」とみられる16歳の少年を逮捕した。現場の国道は、勝手に「聖地」とされ、住民からは苦情が相次いでいた。
SNSで暴走を告知 見物に200人
2023年8月27日、真夜中の福岡・田川市。午前1時をまわるなか、国道の交差点に多くの若者たちが集まり、物々しい雰囲気に―。
警察によるとその数は最大で200人にのぼったという。
見物に来た14歳の少年：
Ｑきょうは何があると聞いてきた？
暴走です！田川暴走が
Ｑ何で知った？
ストーリーです！インスタ！
SNSで暴走行為があると知り、集まったという若者たち。暴走行為の何が若者を引きつけるのか。
バイク乗り消火剤まき散らす迷惑行為
取材中、記者は「暴走族、かっこ悪いと思うけど？」と見物に来た若者に質問。しかし、若者は「ブォーーーン！」という“暴走音”を聞き、「あー、暴走です！」とふざけ調子。
こうした中、突然、白い物体を撒く2人乗りの原付バイクが現れた。
辺りは一時、霧に覆われたような状態に。
後部座席に乗っている人間が消火器を手に持ち、消火剤を撒き散らしているのだ。
2人はマスクを被っていて顔は見えない。
警察も集結！細かな解析捜査進め
この事態に警察も現場に駆け付けたが、暴走車両は警察官をあざ笑うかのごとく、目の前を通過していく。
一時は、静観していたかに見えた警察。
しかし、警察によると、このとき暴走行為を繰り返していたのはこの2人だけではなく、合わせて4人が入れ替わっているという。このうち1人は暴走グループのリーダー格とみられていて、警察は全員を確実に検挙するため、細かな特徴を画像に収める地道な捜査に当たっていた。
いつの頃からか暴走グループが集まる「聖地」のような場所になっていた交差点。付近の住民は―。
女性住民：
上の子が赤ちゃんのときとかは、その音で起きちゃったりとかというのはありましたね。ものすごい迷惑。こんなところでしないで「誰もおらん山奥で走って」という感じ
車両に接触し転倒 リーダー格も逮捕
原付バイクは、このあと午前2時半頃まで暴走を続け、ハンドル操作を誤ったのか一般車両に接触して転倒。
後部座席に乗っていた14歳の少年が現場から逃走しようとしたところ、追いかけてきた警察官2人を蹴り、公務執行妨害の現行犯で逮捕された。
その後、警察は撮影した画像などから人物を特定。9月7日、無免許運転の疑いで暴走グループのリーダー格とみられる板金工の16歳の少年を逮捕した。
逮捕された少年は、8月15日にも無免許で暴走行為をしたことが確認されていて、警察の調べに対し「間違いありません」と容疑を認めているという。
付近の住民からも苦情が相次いでいた真夜中の迷惑行為。警察は余罪も含めて捜査を進めている。
（テレビ西日本）
