猛暑の影響で様々な野菜の収穫量が減少し価格が高騰している。
生産現場で何が起きているのか…。ピーマンの栽培が盛んな岩手県奥州市の農家を取材した。
酸味が強い赤いピーマンに…
10月3日、奥州市胆沢の佐々木農園のピーマン畑では、緑のピーマンではなく赤いピーマンがたくさんなっていて、農家が悲鳴をあげている。

JA岩手ふるさとで、ピーマン専門部の専門部長を務める奥州市の佐々木伸広さんは、「ことし、問題となっているのがこういう赤ピーマン。暑さの影響で熟すのが早くなって、その影響で赤くなってしまっている」と話す。

ピーマンが赤くなると甘味はあるが、酸味が強くなり料理に使える幅も狭くなるという。

JA岩手ふるさとピーマン専門部・佐々木伸広専門部長:
一応出荷はできるんですけど、この赤いピーマンはそこまでみなさんに求められていないので、ピーマンとしての価値があまりない。このまま廃棄のような状態です

佐々木さんは30アールの畑で例年15トンから20トンほどを出荷している。しかし、2023年は4割以上のピーマンが赤くなって出荷できず、出荷は10トンほどにとどまりそうだという。
JA岩手ふるさとピーマン専門部・佐々木伸広専門部長:
本当にあり得ないようなことが起きた感じ。……声が出ないぐらい、ちょっとグッとなるような感じ、今までピーマンをつくってきたなかで
厳しい状況でも前を向く
ピーマンの出荷は例年11月中旬まで続くが、3分の1ほどの農家がすでに2023年分の出荷を諦めているほか、栽培を辞める人もいるという。

JA岩手ふるさとピーマン専門部・佐々木伸広専門部長:
年齢もあるしこういう状況があるので、「もうやめようかな」という生産者の声も聞いています
それでも佐々木さんは栽培技術を高める努力を続けたいと前を向く。

JA岩手ふるさとピーマン専門部・佐々木伸広専門部長:
寒い年もあったり暑い年もあったりするので、それに対応できる栽培技術を、私たち若手や色々な生産者の情報交換は大事にしないといけないと思います
夏の猛暑を如実に語る赤いピーマン。生産農家の厳しい秋が続く。
(岩手めんこいテレビ)