「100万円」でお殿様気分を体験できる、そんなユニークなツアーが始まった。島根・松江市が新たに用意した「ふるさと納税」の返礼品として企画され、寄付額100万円で、国宝松江城の一日城主を体験できるという。松江ならではの“夢の返礼品”、その一部を記者が体験した。

国宝松江城の“あるじ”になれる!?

松江市のシンボル、国宝松江城。
そのあるじに1日だけなれる、そんな夢のような体験ツアーが、2023年8月から松江市の「ふるさと納税」の返礼品に加わった。

松江市のシンボル、国宝松江城
松江市のシンボル、国宝松江城
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寄付額100万円で体験できる、夢の「一日城主」とは…

甲冑を着てお殿様気分も高まる
甲冑を着てお殿様気分も高まる

TSKさんいん中央テレビ・安部大地記者:
一日城主になると、このように甲冑(かっちゅう)を着て、松江城周辺をめぐります。本格的な武者姿で、お殿様気分も高まります。行くぞ!!

体験の目玉は、松江城で観光客のもてなし役を担う「まつえ若武者隊」などと同じ甲冑姿で行く城下町観光だ。

なかなか身に着ける機会がない甲冑姿になれるのは、寄付額100万円の返礼品限定の特典だ。

家臣を引き連れて“お殿様気分”

1日1組2名限定でお殿様気分を味わえるツアー、その一部を特別に体験した。

松江時代案内人・馬之介さん:
殿、お待ちしており申した。松江城一日城主、誠にもって祝着至極にてござる

TSKさんいん中央テレビ・安部大地記者:
家臣もついてきて、お殿様気分です

松江時代案内人・馬之介さん:
有難き幸せにてございまする

家臣の案内で、いざ松江城へ!
家臣の案内で、いざ松江城へ!

TSKさんいん中央テレビ・安部大地記者:
では参ろう!

まずは、武者姿のガイドとともに、松江城の天守を目指す。

TSKさんいん中央テレビ・安部大地記者:
普段見る松江の城下町も、こうした武者姿だと違った味わい深さがあります

松江時代案内人・馬之介さん:
天守の最上階は、400年前であれば、殿しか見られなかった風景でござりまする

お殿様の気分を味わえる体験はほかにも。

松江城を囲むお堀を周遊する「堀川遊覧船」が貸し切りになる。
もちろん、甲冑姿で乗り込む。

取材中、思いがけないことが

取材中には、観光客から「写真いいですか?」と思いがけない体験も。

TSKさんいん中央テレビ・安部大地記者:
本物の武者隊ではないですけどいいですか?

甲冑姿で待機していると、写真に収めたいと観光客から次々に声をかけられた。

TSKさんいん中央テレビ・安部大地記者:
これもひとつの特典かもしれないですね

ツアーには含まれていないが、これはこれで貴重な体験だ。

インパクト重視で「ふるさと納税」底上げ図る

ツアーではこのほか、人力車に乗り、お茶席を体験。専属カメラマンが同行し、思い出をスナップしてもらえる。

さらに、「宍道湖七珍」のひとつ、スズキの奉書焼の特別ランチも味わえる。

これで経費は30万円。総務省が定める「還元率30%」の範囲に収まっているということだ。

松江観光協会・金森一也さん:
ものではなく、体験がいろんな観光で流行っている。松江の一日城主体験は珍しくてインパクトはあると思う

この「一日城主体験」への寄付は、まだ寄せられていないということだが、松江市がこうした特別な返礼品を用意した背景には、1人あたりの寄付額を増やし、ふるさと納税の「底上げ」を図る狙いがあった。

2022年度、松江市に寄せられたふるさと納税の総額は約2億円、県内19市町村のなかで8位にとどまった。また、1人あたりの最高額も50万円にとどまり、100万円を超える寄付はなかったという。

インパクト重視の体験ツアーで「巻き返し」を狙う松江市。

財政基盤の弱い自治体にとって貴重な財源「ふるさと納税」の争奪戦は、返礼品をめぐる知恵比べの様相を呈している。

(TSKさんいん中央テレビ)

TSKさんいん中央テレビ
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