秋田県内を襲った記録的大雨から2カ月。秋田市では、いまだ閉店や休業を余儀なくされている店が数多くある。経済への影響が色濃く残る中、求められる支援について考える。

大雨の被害で休業や廃業 経済活動に影響

7月14日から降り始めた大雨で、秋田県内では住宅8,773棟が被害を受けた。明らかになっている被害額は、9月12日現在で農林水産関係が138億円、土木施設で232億円に上っている。

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2カ月たった秋田市の被災地を見ると、15日時点では休業中の店が見受けられ、街の経済活動に影響が及んでいる。

秋田商工会議所が行った会員企業への調査では、浸水が158件、建物や設備への被害が152件確認された。

秋田商工会議所・水澤聡専務理事:
発災直後に、ある会員から連絡をもらい、「コロナでだいぶ痛んでいた中で、融資で金を借りて事業を継続して乗り切ってきた。いよいよこれからという矢先の浸水被害だった」とか、「製造設備が使えなくなって、入れ替えなくてはならない」とか、「もしかしたら廃業も考えなくてはならない」という切実な声を聞いた。会議所としても、すぐに相談窓口を設置して相談体制を整えた

“激甚災害の指定範囲”条件満たさず 

被害を受けた中小企業などは、難しい状況に置かれている。その要因が「激甚災害の指定範囲」だ。

激甚災害は国が指定するもので、国から自治体に交付される復旧事業の費用の補助率が、通常よりも1~2割ほど引き上げられるほか、被害額に応じて様々な支援を受けることができる。

その中には中小事業者に関する支援もあるが、今回、秋田県内で事業者が受けた被害は激甚災害になっていない。

激甚災害に指定されるには、秋田県の経済規模に対し、被害額が一定の割合に達することが必要だが、条件を満たさなかった。

激甚災害に含まれなかったため、事業者向けの支援策が少ないのが現状となっている。

事業再建へ 中小事業者への支援策打ち出し

これを受け、秋田商工会議所などは、秋田県や秋田市に支援を求めてきた。

県と秋田市は再建支援策を打ち出し、9月15日現在、県議会・市議会で審議を進めている。可決されれば、施設や設備の復旧費用として県単体で50万円、秋田市の支援策も合わせれば最大で75万円の補助金を受けられる。

秋田商工会議所・水澤聡専務理事:
事業再建への意欲をしっかり持ってもらえる取り組みや、サポートをしていく必要がある。通常の経済活動でしっかりとした事業展開ができるよう、様々な経営相談・事業計画の策定などのサポートをしているので、そこを通して、力強い事業活動に踏み出してほしい

今の議会で支援予算が可決されれば、補助が始まるのは10月下旬から11月ごろと見込まれている。

制度について詳しく知りたい人はこちらまで問い合わせを。
「大雨による災害に関する特別相談窓口」
電話:018-866-6677(秋田商工会議所・経営支援課)

(秋田テレビ)

秋田テレビ
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