熊本市中央区に、デザイン性の高いブランドを集めた新たなメガネ店がオープンした。店の一角では「コーヒー」が販売されている。店長の思いに迫った。

様々なブランドのメガネが並ぶ店内

熊本市中央区の商業店舗が入るビルの2階に、2023年7月にオープンしたメガネ店には、作曲家の坂本龍一さんが愛用していたフランスのブランドや、チタン製でネジを使っていない日本製の超軽量メガネ、鮮やかな色合いでデザイン性の高い人気のブランドまでが並ぶ。東京に3つの店舗を持つ「アイウェア メビウス」の4店舗目だ。

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Re:リバーポートアイウェア&コーヒー・岩本倫敦店長:
他で「あれ、これあそこでも見たな」とかではなく、「何これ」というような商品ばかりを取りそろえているので、熊本の目の肥えたメガネユーザーにも楽しんでいただけるのではないか

熊本出身の岩本さんが2016年の熊本地震の後、復興に向かう故郷での出店を強く希望してできた店舗だ。

タイ産コーヒー豆で少数民族の援助を

店の一角にはコーヒースタンドがあり、一杯ずつドリップしたコーヒーをテイクアウトで楽しめる。屋号にも「コーヒー」という言葉がある。しかも、使われているコーヒーは、日本でも流通量が少ないタイ産の豆だ。

この豆は、タイ最北端の山岳地帯「メーチャンタイ村」に住む少数民族「アカ族」が栽培したもの。
もともと、この地帯は「ゴールデントライアングル」と呼ばれ、麻薬の原料となるケシの栽培が盛んな地域だったが、タイ王室のプロジェクトにより、ケシに代わってコーヒーが栽培されるようになった。

「アイウェア メビウス」の山田香代子社長が、このプロジェクトを支援する日本の支援団体の関係者と知り合ったことがきっかけで、新たな社会貢献事業としてコーヒー部門をスタートさせた。

アイウェア メビウス・山田香代子社長:
(ケシ栽培以外)現金収入がなかった所で、比較的高い値段で販売できるハイクオリティーなアラビカ種のコーヒー豆を作る。これからコーヒーを介して、そういった方々が豊かになっていくのかな。コーヒー豆を現地から買うだけでは援助にならないので、それをブランディングして価値を高めていくところが、本当に彼らにとって助けになると思う

会社もちょうど30周年を迎え、新たな挑戦でもあった。「アイウェア メビウス」では生豆を輸入、国内で焙煎(ばいせん)し、2023年8月から豆やドリップ用としてオンラインで販売している。

熊本店では店頭で豆が購入できる他、ドリップコーヒーとしても提供されていて、希少な豆の味を楽しめる。

白川を一望しながらコーヒーを

熊本店のコーヒーは県内で焙煎していて、「ミディアム」と「フルシティ」の2つの方法に絞り込み、ホットとアイスで提供している。

店員・市原麻美さん:
「えっ、タイの豆ですか?初めて聞きました」という方が多い。メガネを買いに来て知った方が多いです

来店客:
最初は分からなかったが、購入したサングラスを受け取りに来た時にちょうど「コーヒーも始める」と聞いていたので、普段行っているコーヒー店では味わえない感じでおいしい

Re:リバーポートアイウェア&コーヒー・岩本倫敦店長:
店の前にあるカフェスペースが白川を一望できるウッドデッキなので、ゆっくりと時間が流れてる所で、コーヒーだけでも飲みにたくさん来てほしい

アイウェア メビウス・山田香代子社長:
メガネも人と人を結びつけるというか、とてもプライベートなことも話しますし、お客さまと友好な人間関係を作りながら販売するツールで、コーヒーは多くの人が好きで、簡単に人と人を結びつけるアイテムだと思う

メガネとコーヒー、2つの商品には人と人をつなげたいという強い思いが込められている。

(テレビ熊本)

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