石川・小松市で開かれたカヌー・スプリントの日本選手権で、パリオリンピック出場を目指す富山・上市町出身の浦田樹里選手(23)が見事初優勝し、代表内定に向け弾みをつけた。
練習で首を痛めるも1位通過で決勝へ
カヌー・スプリントの日本選手権、最終日の9月10日には女子カヤックシングル・200メートルの決勝が行われた。上市町出身の浦田樹里選手は、パリオリンピック代表に手が届くところまで来ている。

浦田樹里選手:
もちろんやるからには優勝を目指してやっているので、しっかり自分のパフォーマンスを出したい

レース前、浦田選手は強気なインタビューで自らを鼓舞していた。実は、3日前の練習で首を痛めてしまい、前日までのレースは無念の棄権。
決して万全な状態ではなかったが、熾烈(しれつ)な選考レースの中では一つ一つの大会で結果を出すことが求められていて、10日のレースは半ば強行的に出場を決意した。

母・美紗さん:
あまり調子は良くないようだが、その中でも出ると言うので応援に来た

浦田選手の背中を支えていた母や姉の声援を受け、浦田選手は予選、準決勝ともに1位通過で決勝へ。

母・美紗さん:
ドキドキしていた。ほっとしている、決勝に行けて。ここまで来たら全力で頑張ってほしい

決勝の前は、決まって母と昼食をとる。何気ない会話が浦田選手にとって最高のリラックスタイムだ。
ーーお母さんが、富山から来ているが?

浦田樹里選手:
日本の大会は、ほぼ全部に来ている。名物ママみたいになっている。心強い

母・美紗さん:
頑張ってこられ
力強いこぎで初優勝果たす
しっかりパワーをチャージして臨んだ決勝では、日本代表選手がひしめく中、浦田選手は声援を力に終盤、見事な追い上げを見せた。

姉と母:
樹里ラスト!

そして、パワフルなこぎで見事、初優勝を果たした。

姉と母:
おめでとう!

母・美紗さん:
本当に良かった。結果が出て良かった。このまま頑張って(パリ五輪の)代表権を取ってもらえればうれしい

浦田樹里選手:
タイミングが合わず、日本選手権はここ最近出られていなかったので、500メートルのレースは棄権になったが、200メートルで優勝を飾ることができたので良かった
目指すのはパリ五輪の出場権獲得
そんな浦田選手に、会場では祝福の声が続々と上がった。

友人:
おめでとう
カヌー競技の盛んな町、浦田選手の出身地である富山・上市町で、小学生のころから浦田選手にカヌー教えていた恩師も祝福した。

上市町カヌークラブ・稲田真人さん:
おめでとうございます。パリに向けて頑張ってほしいし、富山県上市町の皆のお手本になる選手になっていってほしい
また、2大会連続でパラリンピックに出場し、共にパリを目指す仲間でもある瀬立モニカ選手は…。

瀬立モニカ選手:
すごい。一緒にパリ五輪を目指している

厳しい条件の中で見事つかみとった日本選手権初の栄冠は、パリオリンピックに向けて大きな自信へとつながっている。

浦田樹里選手:
(パリ五輪の)出場権を獲得して、富山の皆さんに良い報告ができるよう頑張る
浦田選手は、2024年3月に行われる日本代表選手選考会に出場予定で、その後、2024年4月に行われるアジア大陸予選会でオリンピック代表の内定を目指す。
(富山テレビ)