今、ある「婚活パーティー」が物議を醸している。
それは今度の日曜日(9月10日)に、茨城・つくば市で開催される予定の“シングルマザーのための婚活パーティー”だ。

条件に「?」子どもを心配する声も多数

どうして物議を醸しているのか。

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参加条件を見てみると、男性は、30~40代、年収500万円以上。女性は、再婚希望者でシングルマザーとある。
募集人数は、男女ともに20人。

この「シングルマザー」と「年収500万円以上の男性」という条件に、ネットでは、こんな声が上がっている。

▼シングルマザーと年収500万円以上の男性を婚活させようという趣旨がまずズレている

▼婚活市場であまり人気のない男性層を、お金に困っているシングルマザーと結婚させればいいという浅い思考がみえみえ

▼試みはいいが条件のベクトルが対等でない

さらに、

▼好きになった人がたまたまシングルマザーというケースは理解できるが、最初からシングルマザーを対象にしてる男性って怖くない?

▼「子ども目的」の人がいそうでさすがに怖い

▼シングルマザーにこだわって婚活する男性とか、子どもの性的虐待が目的なのでは?

などと、子どもを心配する声も多く上がっている。
参加条件がピンポイントなだけに、様々な反応があるようだ。

過去には“シンママ限定婚活”1日で配信停止したアプリも…主催者の反応は

実は“シングルマザー限定”の婚活をめぐっては、ZOZO創業者の前澤友作さんが監修したシングルマザー限定の婚活・恋活マッチングアプリ「コアリー(coary)」の配信が、2023年1月27日に始まった。

プロフィール欄には、子どもの年齢層・性別・人数などが記載できるため、ネット上では母親ではなく、幼い子どもを目当てにした性的虐待などに繋がるのではと危惧する声も上がり、配信翌日の28日、わずか1日で配信を停止するという出来事があった。

こうした、子どもを心配する批判の声を、どう受け止めているのか?
“シングルマザー限定”の婚活パーティーを主催する「公益社団法人日本青年会議所関東地区茨城ブロック協議会」に取材を申し込んだが、「現時点(9月6日時点)では取材に答えられない」という回答だった。

また、この婚活パーティーには“協力”として「つくば市役所こども部こども政策課」が携わっている。
こうした批判がでる婚活パーティーに市が関わっているとしたら問題ではないかとする声もある。

この婚活パーティーにどの程度関わっているのか、つくば市に話を聞くと「主催者側から、子育て支援のPRのためチラシを置いてくれませんかと依頼を受けたので協力しました。直接、企画などには関わっていない」という。    

批判が出ていることについては「婚活に対して、そこまでの危機感がなかった。申し訳なく思っています」とし、今後の対応として、チラシを置くことをやめることも検討しているという。

批判の一方で、賛同する声も

ただ、批判の声がある一方で、ネットでは

▼やむなくシングルマザーになった人もいるし、別に健全なのでは?
▼女性としてはシングルマザーNGの人との交際を避けられるから、時間の節約になる

と、賛同する意見もあった。

今回の婚活パーティーについて、番組コメンテーターで女性差別やハラスメントに取り組む、住田裕子弁護士に話を聞いた。

元東京地検検事 住田裕子 弁護士:
シングルマザーについてはやむなくという方も多く、実際に困っている方も多い。そういう方が結婚を諦めている時に、後押しするための出会いの場があってもいいと思う。
しかし女性はそうとして、なぜ男性は年収500万円以上なのか、やはり男の人が仕事して稼いで、女性が家事育児というような、いわゆる古い仕切り方があるように思う。
もし男性の条件を出すとしたら、私は「家事育児にちゃんと協力します、一緒に新しい家庭を作っていこう」というような、年収にこだわらずにそういう意欲があるような人とマッチするような出会いの場を作って欲しい。
(「イット!」9月6日放送より)