教育委員会の元学校教育課長の不祥事が発覚した。学校教育を支援する団体の資金およそ850万円を大町市の50代の男性職員が私的に流用したことが明らかになった。資金の管理は一人でしていて、別の部署に異動後も引き継ぎをせず、流用を続けていたという。職員は「借金の返済に使った」などと話している。

奨学会の資金を繰り返し引き出す

資金を流用していたのは、2022年3月まで大町市の教育委員会で学校教育課長を務めた50代の男性職員。

市によると、職員は市教委が管理を任され中学校と高校に活動資金などを援助する「鳥羽奨学会」の預金などを繰り返し引き出し、およそ850万円を私的に流用していた。

大町市役所
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資金管理は一人で…異動後も続ける

期間は2018年12月から2023年3月までで、2022年4月に異動した後も多忙などを理由に引き継ぎをせず、流用を続けていた。

資金管理はこの職員が1人で行っていたという。

記者会見で大町市教育委員会の太田三博教育次長は、「当時の教育長からも再三にわたって引き継ぎを指示してまいりました。ただ、一番甘かった点は、本人の異動後も学校には奨学金が現金としてきちんと支払われていたので」と述べ、監査が甘かったとしている。

職員は「借金の返済に使った」などと話し、28日までに全額を弁済したという。

市は懲戒委員会に、はかって職員を処分し、再発防止のため管理体制を見直すとしている。

大町市の会見
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(長野放送)

長野放送
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