またしても静岡県警の警察官が逮捕された。県警の警察官が逮捕されるのは直近2カ月の間だけで4人目という異常事態。しかし、県警察本部は事件から2日経った28日現在も、この件について公式な発表をしていない。

不祥事が相次ぐ静岡県警 逮捕者続出

8月26日。都内で警察官の顔を殴るなどしたとして、静岡県警の警察官の男が公務執行妨害の現行犯で逮捕された。渋谷区内のビルで「男が酒に酔って暴れている」との通報を受けて警察官が駆け付けたところ、事件が起きたという。

静岡県警では7月以降、警察官の逮捕は4人目と不祥事が止まらない。

刑事が住居侵入に窃盗 さらに盗撮か

最初の逮捕者となったのは三島警察署・刑事課に勤務する警部補の男(36)。20代の女性宅に侵入したとして7月14日に逮捕され、その後、女性宅から衣類を盗んだ窃盗の疑いで再び逮捕された。男の自宅から女性の衣類が見つかったことが再逮捕につながり、いずれの容疑も認めているという。

三島警察署
三島警察署
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男は8月23日に起訴されたが、ここでさらなる“悪事”を働いていた疑惑が浮上する。起訴状によると、男は2022年6月、女性宅の無施錠の玄関ドアから室内に侵入。これは鍵の形状を調べることが目的だったとみられている。

それから半年あまりが経過した2023年2月、今度は不正に作った合い鍵を使って女性宅に侵入すると浴室の出入り口付近に小型カメラを設置し、女性の裸姿を撮影。さらに4月にも同様の方法で室内へと侵入すると、再び盗撮目的で小型カメラを設置した上、Tシャツ1枚を盗んだとされている。

勤務中にバッグを盗んだ白バイ隊員

2人目は県警交通機動隊所属の巡査部長の男(41)で、いわゆる“白バイ”隊員だ。男はあろうことか勤務中の7月19日、浜松市中区にある店舗の駐車場で軽自動車の中から、現金17万円(起訴状では18万4784円)の入ったバッグを盗んだ疑いで逮捕され、8月10日に起訴されている。

休職中に覚醒剤…

さらに覚醒剤取締法違反の疑いで逮捕されたのが裾野警察署・地域課の警部補の男(44)。男は7月上旬から病気療養のため休職していたが、7月30日に上司に対して「覚醒剤に手を出してしまった」と電話で報告したことで事件が明るみになり緊急逮捕された。起訴状によれば、7月28日に自宅で覚醒剤を舐める形で使用したとされている。

裾野警察署
裾野警察署

署員への面接や監察官の巡回もむなしく

そして8月26日。県警に対して県民から厳しい視線が注がれる中、またしても逮捕者が出た。関係者によると県警の警察官(20代)が、都内で勤務中の警視庁の警察官の顔を殴ったという。ただ県警察本部・監察課は、この件について「逮捕されたことは
承知している。調査結果を踏まえ適切に対応していく」とコメントするのみで、逮捕事実はおろか、所属も氏名も年齢も明らかにしていない。

静岡県警・大原光博 本部長
静岡県警・大原光博 本部長

県警では2人目の逮捕者が出た後の7月25日に、県下28警察署の署長など幹部職員を集めた緊急の会議を開き、大原光博 本部長が「法を執行する立場にある警察職員によるこれらの事案は、県警察に対する県民の期待と信頼を裏切るもの」と断罪した一方、県警としての具体的な再発防止策は示されず、担当課は今後検討していく方針を示した。

幹部を集めて行った緊急の会議(7月25日)
幹部を集めて行った緊急の会議(7月25日)

その後、県警では各警察署において署員に対する面接を実施した上で、首席監察官が各署の幹部からヒアリングを行ったというが、結果として犯罪の抑止にはつながらず、さらに2人の逮捕者を出した。

静岡県警察本部
静岡県警察本部

不祥事が止まらない現状にどう向き合うのか。県警の“本気度”が問われている。

(テレビ静岡)

テレビ静岡
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