グルメの街パリで、旬な人気レストランが一同に会した巨大フードコートが注目を集めている。注文はQRコード、料理は100%手作り、若手トップシェフも出店、と話題満載。大にぎわいの秘密を探った。

メタリックな天井に赤や黄色のポップな内装が際立つ「Food Society(フード・ソサエティ)」。

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見た目も名前もアメリカンだが、ここはフランス・パリのターミナル駅のひとつ、モンパルナス駅近くに2022年秋にオープンした広さ3500㎡のフードコート。

全体マップもこんなポップ♪
全体マップもこんなポップ♪

パリ市内で人気のお店の支店など、実に15のレストランと2つのバーが集結していて、若干28歳でミシュラン一つ星を獲得したアフリカ系スターシェフが手がけるチキン料理店や、テレビで人気の若いシェフのタパスショップなどの出店も話題になっている。

28歳でミシュランの星を獲得したシェフの店

注文の方法は至って簡単。好きな席に陣取って、スマートフォンかタブレットでテーブルに埋め込まれているQR コードを読み込む。

すると、ハンバーガー、ピザといったストリートフードからシリア、モロッコ、ペルーといった世界の味までバラエティ豊かな選択肢が写真付きで示されるので、個数を入れてオーダーする。英語での説明もあるので、フランス語が苦手な人にはホッとするところ。

お値段は、トップシェフのフライドチキン・ピーナッツソースでも10.50ユーロ(約1660円 24日現在)。日本食レストランのサーモン握り、巻物、枝豆などのセットが9.90ユーロ(約1560円)と、いずれもリーズナブル。

料理ができたらメッセージが届き、スタンドに取りに行く。大勢の客をさばくフードコートでありながら、料理は100パーセント手作り、食材はパリ近辺で作られたもの、というルールが客の心をくすぐる。

ドリンクも同様のシステムだ。

グループで来ていても、食のチョイスを合わせる必要もなく、それぞれが好きなものを注文できる。さらに、この機会だからと一人で、「中東もの」1品、「バーガー」1個など、どんな組み合わせも自由自在。色々な意味でストレスフリーなせいか、場内にはとてもゆったりとした時間が流れていた。

盛り上がりたい人は、イベントスペースでDJタイムを楽しむこともできる。

しかもコーヒーショップは朝8時から、バーは日曜から木曜までが深夜1時、金曜、土曜、祝日の前日は深夜2時まで空いていて、年中無休。

気軽にフランスの旬の食のトレンドが見て味わえる巨大フードコート、観光で訪れた際にのぞいみてはいかが?

 
 
勝川英子
勝川英子

フジテレビ国際局海外広報担当。
報道時代にパリ支局長を経験。
2016年にフランスの国家功労勲章を受章。
2003年からフランス国際観光アドバイザー。
幼少期を過ごしたフランスをこよなく愛し、”日本とフランスの懸け橋になる”が夢。