7月最終日も、近畿各地で猛暑日となった。山形県では部活動を終えた生徒が熱中症の疑いで死亡する事案も起きている。

大阪・京都・堺 各地で猛暑

7月最後の日も焼けつくような日差しが降り注ぎ、大阪では最高気温35.0度を観測した。

大阪で外出する人:
「私、死んでしまうわ」と思ったけど生きてます。いつまで続くんやろうね?それが心配

ーー暑さに慣れてきました?

大阪で外出する人:
慣れはないね。多分慣れないでしょ

この記事の画像(7枚)

京都市も暑くなり、最高気温35.9度。なんと11日連続の猛暑日となった。行き交う人たちは日傘や扇風機などを手に暑さをしのぐが、汗びっしょりだ。

堺市ではキッチンカーや出店が並ぶ野外イベントが行われ、夏休みの子どもたちが訪れた。

子ども:
暑い

ーー対策してる?

子ども:
してない。気合と根性

炎天下でからあげを揚げるお店の人の額にも汗が。

からあげ店の人:
スポットクーラーという秘密兵器があるんで

この暑さは、近畿では少なくとも8月5日ごろまで続く見込みだ。

山形県で部活終わりの女子中学生が熱中症疑いで死亡

危険な暑さが続く中、熱中症の疑いで亡くなる人も相次いでいる。

山形県米沢市教育委員会の会見:
部活動を楽しみにし、元気に学校に出かけた当該生徒さんを、無事に帰すことができず、言葉もありません

山形・米沢市では7月28日、部活動から帰宅途中の女子中学生が、熱中症とみられる症状で倒れているのが見つかり、その後、死亡が確認された。

米沢市の教育委員会によると、部活動を行うかどうかは熱中症の起こりやすさを判断する「暑さ指数」を参考に判断するようガイドラインで定めていたが、当日は「暑さ指数」を測定していなかった。一方で、練習中は20分から25分ごとに休憩と水分補給を行うなど、対策もとっていたということだ。

ほかにも、東京・東村山市の住宅では7月30日、70代くらいの男女が死亡しているのが見つかった。扇風機は動いていたがエアコンは使われておらず、熱中症の可能性もある。

東村山市では29日にも、扇風機だけが動いていた部屋で高齢の夫婦が亡くなっていた。東京都監察医務院によると、7月1日から26日までに、東京23区内で熱中症の疑いで死亡した人は65人で、このうち50人が、エアコンが使用されていない場所で亡くなっていた。

「暑さは災害」命に関わる危険な暑さ

7月31日、近畿各地の最高気温は、大阪が35度ちょうどで猛暑日になった。各地で気温が35度以上になったところが多く、「『暑さは災害』と思ってほしい」と片平敦気象予報士は話す。

前週の38度、39度と比べれば少しは下がっているが、命に関わるような暑さになっていて、この先1週間の予想を見ても、まだまだ暑さが続く見通しだ。特に内陸部を中心に気温が高くなる予想で、8月5日ごろまで35度以上の猛暑日となる状況が続くもよう。

朝の気温も25度以上の熱帯夜という状況がまだ続きそうだ。
大阪は7月30日の夜まで10夜連続で熱帯夜になった。これで安眠できないと、また熱中症になりやすくなるという悪循環に入っているという。

さらに、その先、38度とはなかなかないと思うが、9月も10月もいつもの年よりも気温が高い、つまり残暑が厳しい予想になっているので、熱中症対策を少なくとも8月~9月ぐらいまでは続けたほうがいいという。

対策はやはり“エアコンの活用を!”

熱中症対策、今一度注意してほしいのが“エアコンの活用を!”ということだ。

東京の東村山市では7月30日午後、高齢の男女が自宅で死亡した。扇風機は動いていたが、エアコンは使用された形跡がなく、熱中症ではないかということだ。

東京都の監察医務員によると、7月1日から26日に東京23区の中で、熱中症の疑いで亡くなった方 65人中50人がエアコンを使用できないような状況にいたということだ。

片平敦気象予報士:
特にお年寄りは人によって暑さを感じにくくなっていることもあります。「自分は大丈夫」と思ってしまい、調子悪くなってからエアコンをつけても手遅れになることがあります。しっかりエアコンをかけていただきたいと思います

お年寄りの方が若かったころと、今は気候が変わっている。「昔は扇風機で大丈夫だった」と思わずに、今は「エアコンがないとしんどいのが当たり前」と思って対策を。エアコンは弱めでもいいのでつけることが大切だ。

また、身近な方に言われると一番心に響くそう。例えば遠くに高齢のおじいちゃん、おばあちゃんが住んでいるという方は、スマホでも電話でも、一言口酸っぱく言うことも大事だ。

もし寒いと感じるのであれば、上に1枚カーディガンなどをはおり、エアコンを使うことを大前提にしてほしい。

「暑さ指数」も活用して

片平敦気象予報士は「『暑さ指数』もうまく使ってほしい」と話す。

片平敦気象予報士:
最高気温はよく天気予報でお伝えしますが、気温だけではなく湿気が多くてジメジメしている時の方が熱中症になりやすいです。日差しが出ていたり、建物の壁から熱がきたりするというものも加味して、どれぐらい熱中症の危険性があるかを表したのが「暑さ指数」で、その数字が33以上になるとわれわれもお伝えしている「熱中症警戒 アラート」となります。実はその前から「危険」とか「厳重警戒」という段階があって、こういう対応をしてくださいというのが詳しく決まっています。テレビなどで「明日危ないよ」という話を聞いたら、例えば高齢者のご家族がいる方、高齢者施設の方、学校関係の方、こういった方はぜひ自宅の近くの「暑さ指数」がどうなっているか調べてもらえればと思います。環境省のホームページで詳しくリアルタイムで見られます。自分のことと思っていただきたいと思います

(2023年7月31日 関西テレビ「newsランナー」放送)

関西テレビ
関西テレビ

滋賀・京都・大阪・兵庫・奈良・和歌山・徳島の最新ニュース、身近な話題、災害や事故の速報などを発信します。