2023年の熊本県高校総体の陸上100メートルと200メートルで優勝し、3年連続2冠を果たした熊本中央高校3年の山形愛羽選手。最後のインターハイに向けてトレーニングを積む短距離界、期待の星を取材した。

高校総体・陸上64年ぶり3年連続2冠

笑顔が似合う山形愛羽選手・熊本中央高校3年生。

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身長154cmと小柄だが、その実力はというと…。

他の選手を圧倒する走りを見せる山形愛羽選手
他の選手を圧倒する走りを見せる山形愛羽選手

熊本県高校総体女子100メートル決勝で、後半の爆発的な加速で他の選手を圧倒。記録は11秒74の大会新記録で優勝した。2日後には200メートルでも優勝し、3年連続で2冠を達成。

この2種目での3年連続2冠は熊本県で64年ぶり、史上2人目の快挙だ。

山形愛羽選手:
決勝でタイムを伸ばしたかったけど(100メートルは予選と)全く同じ11秒74だったので悔しい部分もある。3年間11秒台をこの大会で狙って大会新記録を最後に出せたのは良かった

持ち味のピッチの速さにストライドの伸び

メディアも注目の短距離界期待の星は、熊本中央高校・陸上部に所属。熊本県の育成指定選手にも選ばれていて、競技力向上に向けて日々、汗を流している。

山形愛羽選手:
結構暑いです。足をできるだけ上げてピッチを速くできるような練習をしたい

脚の回転数の早さを鍛えるトレーニング
脚の回転数の早さを鍛えるトレーニング

この日は持ち味の一つピッチ、いわゆる脚の回転数の速さを鍛えるトレーニングを重点的に行った。

山形愛羽選手:
マーカー走の動きを、そのまま100メートルと200メートルのレースでできるように行っています

德本康輝監督:
後半の走りとピッチの速さは元々の彼女のいいところ、長所ですので、そこに加え、ストライドが伸びてきているのが高校に入って記録が伸びた要因と思う。驚くほど成長しているし、未知数、まだまだ記録も伸びそうだし、走り自体もどんどん良くなってきているので記録も更新できると思う

明るく抜けてて“末っ子”みたい

では競技から離れた山形選手はどんな女の子なのか、チームメイトに聞いてみた。

友人たち:
末っ子みたい。面白い。抜けてるところがある。抜けてて明るい感じです

ーーと言われていますけど?

山形愛羽選手:
みんな変わらないです。みんな抜けてます

友人たち:
その中でも特にみたいな

山形選手は2023年6月にあった日本グランプリシリーズの布勢スプリント・100メートルで、11秒55をたたき出し、自身の持つ県記録を0秒13更新。なんと、高校歴代4位の好タイムをマークした。

山形愛羽選手:
“自己ベストを出そう”という思いで走るよりも“楽しもう”と走ったほうがタイムが出ることに今年気付いて。日本のトップ選手はたくさんいる中で“チャレンジするしかない。楽しもう”という気持ちで走った。今年11秒5台を出すのが目標だったから11秒55が出たときには正直「えっ?」みたいな「本当に?」という感じでした

山形選手「11秒4台を狙いたい」

いよいよ8月に迫った北海道インターハイ。過去2回は表彰台を逃し、悔しい思いをしてきただけに最後の年に懸ける思いは強いものがある。

山形愛羽選手:
高校に入る前から目標としていた100メートル、200メートルのタイトル2冠と、その中でもインターハイでは順位が一番狙いたいけれど、11秒5台が出たので11秒4台を狙って頑張りたい

「世界で戦えるオリンピック選手になることが目標」と話す山形選手、世界に羽ばたくその日が期待される。

(テレビ熊本)

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